全員で課題に取り組み、打開するホテルビジネスの不確実性に

----就任されてから、実施した運営アクションをお聞かせ願います。

　前任者のときからそうですが、スタッフ間の連携はかなり強いと感じる部分がありました。私自身、関東圏のホテルなどをへて、縁あって沖縄に参りました。その直前にプロフェッショナルレストランマネジャー養成講座を習得したばかりでしたが、レストラン運営もホテル全体の運営も収支・経費などの考え方は変わらず、応用することができるのではと挑んでみようとお引き受けしました。

　2022年から、バックオフィスのフロアを全部署一括にまとめました。より横断的に業務を展開できるようになり、特にフロント、ゲストリレーション、コンシェルジュの 3部門の効率化が図れ、お客さまにも迅速かつ的確にご対応できるようになりました。ほかの部門も、例えばトリプルで販売した客室は次のトリプルのお客さまに販売などの効率化オペレーションを徹底し、コロナ禍ではマイナスだったGOPをプラスに転換させました。

　レストランでは、ご利用いただきましたお客さまに公式 LINEの登録推進に努めました。始動してから、わずか 1年半弱で登録者数は 2万人超となり、主にセールスツールとして活用しています。これまでの封書やメールの DMより、訴求力があり反応も早いので売り上げ予測が立ちやすいですね。3年後には GOP26～27％を達成できるように、スタッフと一緒に着実に伸ばしていきたいと考えています。
 
　実は私の勤務前から OTAの口コミも良く、エージェント様との関係性も良いので、プロスポーツを含む団体予約を毎年いただいておりました。「毎年ご利用いただけている」という事実は、日々のスタッフの連携の賜物であることを、改めて認識してもらえるようスタッフにはていねいに話しをします。また、柱となる業務マインドを共有していますので、皆が自信をもって業務に当たれるよう努めています。
 
先のLINE登録の件も、若手のアイデアを即採用し、その運営や展開もすべて任せました。若手だからではなく、本人のビジョンとやる気を認め、実際に経験してもらうようにしています。それは私自身、FBマネージャーとしてキャリアを積んできたものの、もう一歩先に踏み込むためにはどうしたらよいか思っている矢先に、本職へのオファーをいただき、次の一歩に踏み込んだ経験に起因します。こうした経験をへて、それまでの自分とは大きく異なる新しい自分になる事ができる、ということを後進にはしっかり伝えていきたいと常に思います。