----オキナワグランメールリゾートには2019年に勤務、総支配人になられたのが 20年で、ご着任後はコロナ禍と重なります。直近の状況をお聞かせ願います。
コロナ以前は平均稼働率が 87%、総売上は毎年約 10%アップと右肩上がりという状況でした。当ホテルは主に、団体、特にインバウンドでの需要が高く、毎年これらは下限1億円で着地していました。インバウンドについては、韓国、中国、台湾が大半で売り上げ全体の10%を占めていました。コロナ禍の3年間はインバウンドと団体が全く動かず、さらに県外からのお客さまも少なかったことからとても大きな痛手となりましたが、県内の方々に「安近短」レジャーとしてご利用いただけたのはありがたかったです。
これも築 32年という存在感と着実に地元の方々に支えていただいていることを改めて感じました。県中部に位置する沖縄市は、那覇市や沖縄本島北部へのアクセスもよく、基地関係の需要を安定的に見込めるのも特徴の一つです。
今年 B.LEAGUE優勝した「琉球ゴールデンキングス」のサポート契約をしています。そのつながりもあり、今年 5月から展開している県内初となる「キングスルームプラン」(1日1組・4万4000円~)は、1室のみとはいえ、この部屋の予約はほぼ埋まっており大変好調です。沖縄アリーナが比較的至近であることも手伝って、試合があるときは対戦チーム含めほぼご利用いただいていますので、これは元々の柱でもあった団体スポーツ需要をさらに、確固たるものにしたと感じております。
今年8月には FIBAバスケットボールワールドカップ 2023が沖縄で開催されました。今回の W杯は史上初となる三カ国(日本・フィリピン・インドネシア)共催。日本の開催地に沖縄が選ばれたのも、沖縄でのバスケの競技人口が増えていることや昔からなじみ深いスポーツであることと聞いています。W杯の事前合宿では、ベネズエラ代表のご利用があったほか、会期中の平均稼働率は 95%超でした。また、「広島東洋カープ」がキャンプ時でのご利用や「FC琉球」ほかさまざまなスポーツチームや各種大会開催時にご利用いただいております。
コロナ禍では 30年目にして初となるリノベーションを施し、アフターコロナに臨みました。今回のリノベーションは表層改装が中心ですが、課題となっていた 2階の日本食レストランを多目的に対応できる宴会場に変更しました。4月より、国内外のご予約が増加。結果、朝食会場などの需要をカバーできるなど好循環が生じています。
2023年9月22・29日号 トップインタビュー オキナワ グランメールリゾート 総支配人 武田 章 氏
トップインタビュー オキナワ グランメールリゾート 総支配人 武田 章 氏
【月刊HOTERES 2023年09月号】
2023年09月28日(木)