物理的にハードが縮小する再開発期間は適切に人を充ててブランド維持に努める
----再開発の建て替え期間中の営業において、お客さまの体験価値をどのように維持していきますか。
2024年にタワー館の解体工事が始まり、2030年に新タワー館が完成する予定です。新タワー館にはサービスアパートメントと賃貸住宅、商業施設、オフィスの各事業が入る予定で、現タワー館の進化版として展開することになります。タワー館の工事期間も現本館はそのままあり続けますので、そちらでのサービス提供は維持されることになります。
並行して隣接する敷地にある中地区のセントラルタワーの上層階に NTT都市開発をパートナーとした、スモールラグジュアリーホテルを、また、低層階には三井不動産とともに 1,000m2超の大型宴会場を展開する計画もあります。そちらの営業は 2029年にスタート予定ですから、タイムスケジュール的には帝国ホテル東京の施設がゼロになる時期はありません。スモールラグジュアリーホテルのブランドは目下検討中ですが、約 100室の施設になる予定で計画を進めています。
2031年あたりから本館の建て替えが始まり、2036年にすべてが完成するので、物理的な顧客接点は途中滞ることなく継続することができるでしょう。ただし再開発中は施設が一気に減りますので、宿泊、宴会、レストランともに縮小したところにどのような形で人を充てていくのか、これまで紡いできたブランドをどのように発信し続けるべきなのか、はたまたスモールラグジュアリーホテルのコンセプトをどのように組み立ていくのかについては今後検討を重ねていく必要があります。
ハードが物理的に減ることになるので、ECサイトの強化もテーマになってくると思います。ECサイトの展開についてはコロナ禍で得た学びを活かしながら、その需要にしっかりと応えていくつもりです。
たとえホテルに来館いただかなくても、ECサイトを通じて顧客接点を創ることはできるので、そのやり方も含めて帝国ホテルのサービスを表現し続けることが大きなテーマになるでしょう。