リージョナルツーリズムの観点においてIHGは日本市場のパイオニアである
----これまで多くのインバウンドに人気が高かったエリア以外の地方に向けた展開についてどう考えますか。
統計を見ると、日本を再訪するインバウンド観光客の 90%以上が、京都や大阪以外の地方に足を伸ばしてみたいと回答しています。
日本政府が掲げる 2030年までにインバウンド 6000万人という目標は依然として変わっていないと認識しており、その取り組みにおいて地方に向けたツーリズムは今後の日本の観光産業の核となる必要があると考えています。
ANAは 1990年代から2000年代にかけて、全国の地方で積極的にホテルを展開していました。2006年のジョイントベンチャー設立後は ANAとIHGの共同ブランドでの展開を推進し、日本全国にホテルの数を拡大してきました。過去 5年間は、IHGの日本における歴史においても特に成長を加速した時期でした。
ラグジュアリーカテゴリーに関しては、大分県に ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパを開業。また、岩手県には、ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート、ANAクラウンプラザリゾート安比高原、ANAホリデイ・インリゾート安比高原の 3つのホテルブランドを擁する安比高原リゾートを開業しました。また、長野県には ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよんを開業しました。これらの実績から言っても、リージョナルツーリズムの観点において IHGはパイオニアであると自負しています。これからもさまざまな形で日本のリージョナルツーリズムの発展につながる取り組みを推進していきたいと考えています。
私たちが展開しているリージョナルツーリズムの好例として、愛知県のホテルインディゴ犬山有楽苑が挙げられます。犬山という場所にあそこまで質の高いホテルが生まれたことは、人々の期待を超越した出来事だったと思います。犬山城と有楽苑という2つの国宝に隣接するロケーションに開業したことで、ホテルインディゴというホテルブランドが持つコンセプトの意義をあらためて表現できたと思います。
その土地ならではの歴史や文化をホテル体験に反映させる「ネイバーフッドストーリー」というコンセプトは、これから新たな土地に開業するホテルインディゴにも受け継がれることになります。ホテルインディゴは日本の各地方に完璧にマッチするブランドと言えるのです。