旅行業界が回復する今だからこそ、ANAとのパートナーシップを強化
----1972年に参入した日本市場においてIHGが行なってきたこれまでの活動を教えてください。
日本市場で 50年間の経験を培ってきたIHGは、2023年以降も新たなストーリーを描いていきます。日本では現在(2023年 6月の取材時)、45軒のホテルを展開し、客室数は約 1万 2,500室となっています。6月末には新たにリーガロイヤルホテル(大阪)が IHGに加わり46軒となります。継続的にポートフォリオを拡大し、これからも大きな成長を遂げていくための活動を続けていけることを喜ばしく思っています。
これまでの 50年の歴史を積み重ねる中で、日本市場におけるIHGのホテルブランドの認知度は着実に高まってきました。何といっても特筆すべきことは、2006年、ANAとのジョイントベンチャー会社「IHG・ANA・ホテルズグループジャパン」が設立されたことでしょう。設立から10年間での実績を背景に、2016年には提携契約を 2036年にまで更新し、ホテル運営における戦略的提携を強化しました。
----2023年には販売・マーケティング分野に関しても ANAとの包括的協定を締結しました。このタイミングで提携を強化した理由を教えてください。
ANAとジョイントベンチャー会社を立ち上げてから、私たちはさまざまなレベルで協力関係を築いてきました。2023年になって、旅行産業が回復してきたこのタイミングこそがさらに強固な基盤づくりの勝機と捉え、包括的協定の合意を発表しました。今後はホテルの運営面だけでなく、コマーシャル面での戦略パートナーとしても連携を強化し、さらなる成長と拡大を共に目指していきます。
ANAもIHGも世界有数のクオリティを持っていると思っていますし、それぞれのお客さまに対して相互にアプローチできる形をさらに深めていきたいと考えています。各種のプロモーションを展開する場合も、ANAのお客さま、IHGのお客さまに対して双方からアクセスできるのは大きな強みです。このようなメリットを活用し、機内や空港におけるプロモーションも展開していきます。
これからの時代において成長するためには一歩先んじて行動を起こす必要があると思いますし、そのためにも今回の戦略的提携の強化は不可欠だったと言えます。次世代の若者たちに向けたアプローチという意味でも、ANAとの関係強化は大きな意味を持つことになるでしょう。
----地方進出に対する意欲を聞かせてください。
IHGは、過去 4年間で 7つのホテルブランドを日本市場に投入・再投入してきました。また、2020年 1月から現在までに新たに 12軒のホテルを開業しました。2023年 5月30日にvoco大阪セントラルを開業し、2023年 8月29日にはホテルインディゴ東京渋谷を開業します。今後もシックスセンシズ京都(2024年)、ホテルインディゴ長崎グラバーストリート(2024年冬頃)、リージェント京都(2025年)、インターコンチネンタル札幌(2025年)、インターコンチネンタル沖縄美ら SUNリゾート(2025年)などが開業予定です。 2023年 6月末に IHGに加わるリーガロイヤルホテル(大阪)は、営業を続けながら段階的な大規模改装を実施し、2025年には IHGのラグジュアリーブランドである「ヴィニェットコレクション」を冠し「リーガロイヤルホテル大阪 -ヴィニェットコレクション」としてリブランド開業します。