大阪万博の開催を見据えながら時代が求める高品質なホテルブランドを展開
----ヴィニェットコレクションは、最終的にどのような形を目指すのでしょうか。
2025年にリーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェットコレクションとしてリブランド開業するリーガロイヤルホテル(大阪)は、関西で最も有名なホテルの 1つです。そのホテルを大規模改修してヴィニェットコレクションのホテルとして展開していくことになった背景として、2025年に開催される大阪万博を意識していることは事実です。このタイミングでヴィニェットコレクションを日本市場にお披露目することは、IHGにとってもいいチャンスであると捉えています。
IHGは現在、大阪に 7軒のホテルを展開しています。さらに2023年 6月末にはリーガロイヤルホテル(大阪)がIHGのシステムに加わります。大阪はIHGにとって主要なマーケットの 1つです。2022年には、外資系企業として初めて、大阪観光局のオフィシャルパートナーとなりました。今後は大阪を含む関西地方の発展に向けて、大阪が描くビジョンの実現を共に目指し、さらに協力していきます。
ヴィニェットコレクションは「高品質なラグジュアリー」を提供するブランドで、既存ホテルのブランドや自主性を尊重しながらコレクションのメンバーとして IHGのシステムに加入するというものです。リーガロイヤルホテル(大阪)もその名前は変わることなく、そのブランド名にヴィニェットコレクションが付く形となります。それによって IHGが持つシステムや会員組織「IHGワンリワーズ」を活用できるようになります。
私たちは日本のマーケットをよく理解していますし、それと同時に海外のお客さまが何を求めているのかについても理解しています。その両方を熟知しているIHGだからこそのメリットを享受できるブランドとして、ヴィニェットコレクションを日本全国に広げていきたいと思います。
----多くのホテルの開業が控える中、人材の確保について特別な仕組みはありますか。
新しいホテルの開業時には、東京のサポートセンターに所属する各分野のプロフェッショナルが全面的にバックアップするシステムをとっています。これは全国にホテルを展開しているジョイントベンチャーだからこその強みでもあるのですが、そのプラットフォームを活かして北は北海道から南は沖縄まで、次々と開業する新たなホテルに対して手厚いサポートができる体制が整っているのです。
グローバルな視点で見ても、IHGは日本を優先市場と位置付けています。日本で展開している外資系ホテルのオペレーターの中でも、日本ベースのインフラは非常に高いレベルで確立されていると自負しています。
競争が激化する市場環境のなか、最近では IHGの成長を推進する開発部門の強化に力を注いできました。IHGの開発部門は、開発や新規開業サポートはもちろん、投資分析、リーガル(法律)、設計デザインなどを含む、各分野の専門家から形成されているプロフェッショナル集団です。新しいホテルの現場をサポートする従来のチームに開発の専門家集団が加わることで、これまで以上に強力なインフラが東京に備わったことになります。
戦略としては「For Japan, In Japan」のキーワードのもと、日本のことは国内で解決するという方向性を推進しています。チームの運営にあたっては、開発からオペレーションに至るホテルのライフサイクルのすべてを私自身が統括しています。日本のことは日本において自立的に意思決定することができる体制を構築したのです。
新しいホテルをサポートするチームは、オペレーション、コマーシャル、宿泊、料飲、レベニューマネージメントなど、すべての部門において専属のメンバーを揃えています。既存のホテルからの人材の貸し出しではなく、サポートセンターと呼んでいる本部のプロフェッショナルが、タスクフォースとしてホテル開業に必要なさまざまなアクティビティを提供し、サポートしていくスタイルです。経験豊富な人材を揃えた専任メンバーは、ホテルに必要なアクティビティを熟知しています。新築の案件だけでなく、コンバージョンの案件についても十分なサポートができる体制です。