アフターコロナを見据え一世代飛ばして社長に選出
----まずはアールエヌティーホテルズと本山さんのキャリアから伺います。
アールエヌティーホテルズは、親会社がロイヤルホールディングスで、グループ会社に、「ロイヤルホスト」を始めとする外食事業を担うロイヤルフードサービスを持ち、1995年の創業から、「リッチモンドホテルズ」(以下、リッチモンド)ブランドのホテルを全国に 43軒展開しています。
----社長に就任された 2021年は、新型コロナが蔓延していた厳しい時期ですね。
ロイヤルホールディングスで財務を3年間担当した後、2019年にホテル事業に戻り、新業態の開発に従事して約 1年のタイミングでした。当時のロイヤルホールディングスの社長から、「コロナ禍が明けた世の中では、ホテル事業が最も事業環境が変わっているだろう。その環境に対応していくために、あえて一世代飛ばして君を社長に任命する」とお話をいただいたのです。寝耳に水でしたが、その言葉に覚悟を決め、ブランド存続という使命感を持って社長職を拝命しました。ちなみに、私は留学から帰国後にアルバイトから入社したのですが、ホテル事業で初めて現場出身者の社長就任でした。
----コロナ禍は、貴社にとってどのような状況だったのでしょうか。
出張需要が激減し、以前から叫ばれていた多様な働き方への改革が急務になるなど、あらかじめ見えていた課題が加速して表出しました。そこに弊社がどう対応するかが、社長として最も注力してきた部分だと思います。お客さまのニーズが大きく変化するなかで、ホテルという商品の在り方自体も変えていかなければならないと痛感。改めて、「お客さまにこのホテルに来ていただくための動機付け」の必要性を感じ、ホテルの魅力、宿泊体験の付加価値の発信の重要性を再認識した時期でもあります。