----着任から半年強ですが、どのようなことを感じていますか。
そうですね、スタッフの総力を高めたいと思いつつも、ひとりひとり、個性も強みも違うスタッフの力を引き出すのは難しいので、まだまだ勉強が必要だと思っています。星野リゾートには「麓村塾」という社内ビジネススクールがあり、学びの制度が整っているので、マーケティングからコーチングまで、さまざまなスキルを自分が必要だと思うタイミングで身につけることができます。「本当にこれを学びたい」と思うタイミングは、個人によってもキャリアによっても異なるものですが、それを一律ではなく、自分で選べることで大きな効果があると実感しています。
さらに星野リゾートは、さまざまなバックグラウンドを持つ社員が多い点を活かし、近年「麓村マーケット」という制度も設けております。これは、例えば動画編集だったり、茶道の考え方だったりと、特定の社員が持っているスキルや知識を、スタッフにシェアすることができる仕組みです。こちらも社員が講師になって、オンラインや対面で講座を行なうのですが、とても楽しく参加しています。
また、全国の「界」総支配人は社内ネットワークでつながっており、「こんなことで困っている」という悩みや不安はすぐに共有できる仕組みが整っています。一人で抱えこまず、「学びながら、総支配人の役割をこなせばいいんだ」と思えることは、私のような 20代の総支配人には心強いですし、チームで組織や地域を良くしていこう、観光産業を盛り上げていこうと切磋琢磨できる環境は恵まれていると感じています。
----ありがとうございます。最後にこれからの挑戦について教えてください。
地域経済を活性化させることは、地方創生を支え、日本の経済を活性化させることにつながっています。そして、地域とホテルは常に一心同体であり、地域の魅力が高まることは、そのままホテルの業績にも直結します。ですから私たちの仕事は、地域の魅力を掘り起こし、発信し、そのブランド力を高めること。そのためには、私を含めたスタッフがその土地の文化をよく知り、人と繋がり、愛着を感じることが大切だと考えます。これを丁寧に続けることで、さらに多くの人に足を運んでいただける魅力的な土地、施設になっていけると信じ、これからも精進していきたいと思います。
2023年5月5-12日号 トップインタビュー 界 日光 総支配人 五十嵐 佳琳氏
2023年5月5-12日号 トップインタビュー 界 日光 総支配人 五十嵐 佳琳氏
【月刊HOTERES 2023年05月号】
2023年05月11日(木)