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2023年3月24日号 トップインタビュー (株)カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント 代表取締役会長兼社長 穂積 輝明氏

トップインタビュー (株)カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント 代表取締役会長兼社長 穂積 輝明氏

【月刊HOTERES 2023年03月号】
2023年03月23日(木)
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宿泊特化型ホテルの付加価値版で勝負

----カンデオホテルズの概要について教えてください。

 当社は 2005年 7月創業で本年 18期目を迎えました。現在、従業員数は約 400人、施設数は 29棟、約 6000室となっています。ブランド名のカンデオ(ラテン語の光り輝くの意)には、お客さまに光り輝いていただきたいとの思いを込めています。

 一号店はロードサイド型の 3.5スターのホテルからスタートしましたが、当初からビジネスホテルとラグジュアリーホテルの中間領域で事業展開する考えは変わっていません。ただ、施設のグレードはポートフォリオごとに上げてきています。現在は実質4スタークラスになってきおり、最終的には 4.5スターを目指しています。「唯一無二の 4つ星ホテル」、宿泊特化型ホテルの付加価値版という領域で勝負をしています。

 ホテルの特徴は、最上階に展望露天風呂を設けていることです。サウナと水風呂も併設しています。近年はサウナも大型化やロウリュウの導入、眺望を楽しめる施設をつくるなど単に整うだけでなく空間体験価値を高めています。朝食は、冷凍食品を温めて並べるだけのブッフェではなく、ほとんどを手作りによるオリジナル料理にすることで付加価値を提供しています。客室はデザイン性の高い設えを施し、あたかも5スターホテルに泊まったかのようなグレード感を、4スターの料金で楽しめることを訴求しています。

----穂積さんがホテル事業を志した経緯は。

 私の父は広告代理店でパッケージやCMのデザイン、母はブティック経営をしておりました。小さいときからデザインに触れていたので、建築家になりたいという夢をいだくようになり、京都大学の建築学部に進学しました。

 そこで先輩からアルバイト先として紹介されたのが(株)スペースデザインでした。この会社はリクルートの江副さんがオーナー兼経営をされていたベンチャーデベロッパーで、当時の社員数は29人でした。ここで分譲マンションの設計企画などの実務をやらせてもらったことで、リスクをとって商品を生み出すデベロッパーのアプローチにはまり、卒業後は同社への就職を決めました。

 スペースデザインでは東京勤務になり、サービスアパートメントといわれる外国人向けの高級賃貸住宅や、そのオフィス版でフロアを細かく分けてベンチャー企業に貸すサービスオフィスを設計企画から建物竣工、オペレーションまで手掛けました。

 この経験から建築と運営を直営で行なうと、ものすごいキャッシュフローが回るのにもかかわらず、両方手掛ける企業は少ないのでチャンスだと思うようになりました。そこで、バランスシートでいう左側の企画力はついたので、右側の資金調達を勉強しようと不動産ファンド会社の(株)クリードに転職したのです。そしてたまたま、グループ内ベンチャーで創業する機会をいただき、2005年にカンデオホテルズ事業をサラリーマン社長としてスタートしました。
 
 一号店はあえてニッチな地方の都市で需要があるけれども供給が少ないところを選び、ロードサイド型ホテルを出店しました。当時は、2000年に施工された不動産流動化法の影響から不動産に資金が入りやすい時期で都市部の不動産は高騰していましたので。その後、リーマンショックが起きて(株)クリードは会社更生法の適応となり、とある上場企業に当社株式を引き受けていただきました。それから 3年後の2012年に株を買い戻してオーナー社長になったのです。出店戦略も大都市の一等地に変え、さらに商品企画に磨きをかけながら出店を増やしてきたというのがこれまでの経緯です。

 

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