上質なマテリアルに触れて自由に発想、探求できる場所
----「レッジョ・エミリア・アプロ―チ」プログラムの特徴を教えてください。
「レッジョ・エミリア・アプローチ」は、決められた答えを覚えたり、何かの技術を身につけるというよりは、その子自身の考えや発想から自分で探究することを大切にしています。ですから、当ホテルのアトリエでも、地域色豊かな質の高い素材を用意して、自分なりの使い方を自由に発想できるようにしたり、色々な表現方法を準備して、ゲスト自身が選択できる環境を用意しています。
それに加えて、アトリエにはそれぞれの個性を引き出し、一緒に楽しんでくれるスタッフが常駐しています。この「素材」「選択できる環境」「人」の 3つが揃った時間をお過ごしいただくことが、一番の価値だと感じています。
---- 1泊 2日という短期間の滞在のなかで“良質な教育”を体験として提供することはできたとしても、ここでの教育体験がその先に繋がる気づきや価値とするために必要なことはどんなことでしょうか。
最も大切なのは「発見」だと考えています。親は「わが子はこんなことに興味があったのだ」と発見し、お子様自身も、アトリエでさまざまな素材や表現に触れる中で、「こんな使い方があるんだったら、こんなことも考えられる」というような、発見をする機会が非常に多くあります。この発見こそが、親子両方にとって、非常に楽しく心が動く体験になるのではないでしょうか。
ですから滞在中に何かを身に付けるというよりは、日常につながる発見や個性、興味の種みたいなものを持って帰っていただきたい。それが、リゾート地で提供する教育の価値の根幹ではないかと思っています。
----「レッジョ・エミリア・アプローチ」の提供においては、そのアプローチを使った保育・教育を実践されている「まちの研究所」と協働されています。アトリエはどのようなメンバーで運営されるのですか。
「まちの研究所」からアトリエリスタというアーティスト活動をされていた芸術の専門家に 8名入っていただいています。また弊社からも13名のアトリエ専任スタッフがおり、一緒に運営を進めていきたいと考えています。というのも今回、私達は客室の監修と宿泊体験の設計はしていますが、フロント業務や客室清掃、料飲サービスは「ハイアットリージェンシー大阪」が担当しています。ですので、弊社のスタッフはアトリエが主な活動場所になるのです。
もちろん、「リゾナーレ大阪」のゲストがお困りになった時は、アトリエのフロントにお問い合わせいただくなど、お客様対応は共に行っていければと考えています。
----非常に新しいスタイルですね。人手不足解消につながる新しいシェアの形といいますか、今後さらなる協業が生まれる可能性もありそうです。
実際に、レストランとも少しずつ、ファミリー層に対応したメニュー開発のお話をさせていただいています。お互いの大切な部分は守りながら、さまざまなことに一緒に取り組んでいきたいですね。それが、新しいホテル運営のビジネスモデル、パートナーシップの形になっていくのかもしれません。さらなるシナジーを期待しています。