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2023年2月17日号 トップインタビュー クラブメッド 東・南アジア、太平洋地域 最高経営責任者 レイチェル・ハーディング氏 /クラブメッド 東北アジア代表取締役社長 マーク・ルトゥールノ氏

トップインタビュー クラブメッド 東・南アジア、太平洋地域 最高経営責任者 レイチェル・ハーディング氏 /クラブメッド 東北アジア代表取締役社長 マーク・ルトゥールノ氏

【月刊HOTERES 2023年02月号】
2023年02月16日(木)
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----キロロのプロジェクトは、いつ頃から始動されていたのですか?

ルトゥールノ このプロジェクトは約2年前にスタートし、私は最初からプロジェクトリーダーを務めました。コロナ禍でプロジェクトを立ち上げたため、プロジェクトチームの中には来日できないスタッフも多く、現場で国外にいるチームとで何度もビデオ会議等を行い打ち合わせしました。そして、この既存のリゾート地を、どのように再生できるか考えました。本当に楽しい仕事になりました。

 私たちのマウンテンリゾートのすべてに共通していますが、クラブメッドらしさと活気あふれる雰囲気を考慮しながら、その土地のリアルな暮らしを反映することも大切にしています。だから、私たちのリゾートは、独自の個性を持っているのです。そこでこの地域の少し外にも目を向けました。その代表格が余市と小樽です。

 小樽はガラスのまちとして有名ですが、歴史をひもとくと、かつて貿易港や漁業で栄えた歴史や生活、住人の努力が見えてきます。小樽の物語にすっかり魅了されました。また、余市にはウイスキーやワイン造りの歴史と文化があります。

 そんな地元の人々の芸術的なアプローチを、少しでもデザインに反映させたいと考え、リゾートの設計要素のあちこちにデザイン的な解釈なども加えています。例えば客室のベッドのヘッドボードは、地元のアーティストが絵筆で描いた作品なのです。

----今回キロロでオープンした「ピーク」と、来冬シーズンにオープンを予定している「グランド」の違いはどんなところでしょうか。

ルトゥールノ ゲレンデ前の好立地に、先行して 2022年 12月 15日にオープンしたのが「ピーク」です。12歳以上限定の大人のリゾートにふさわしい、全 126室のブティック型ホテルです。カップルや友人同士、あるいは大きな子どものいるファミリーの利用を想定し、落ち着いた雰囲気です。館内には、新鮮な北海道の食材から世界各国のフュージョン料理をビュッフェで味わえるレストランのほか、世界のさまざまなお酒が堪能できるモダンなバー、露天風呂やサウナが併設する大浴場、くつろげるスパ施設、フィットネス、シアターなどがあります。

 一方、来冬シーズンにオープンを予定しているのが「グランド」です。「ピーク」から無料シャトルで 3分ほどの場所にあり、ファミリー層すべてに対応した全 261室の大型リゾートです。クラブメッドの通常の顧客をコンセプトにしていると言えるでしょう。キッズクラブは 2歳から利用でき、多国籍の専門スタッフが日本語と英語でケアをしています。子どもの年齢に応じたスキーの設備やレッスンも用意していますよ。

 他にも「グランド」では、室内温水プール、天然温泉ほか、十勝牛の骨なしカルビをはじめ、アラカルトメニューを提供する焼き肉とアジアンの 2つのレストランがあります。これらの施設も先行してオープンしているので、「ピーク」で宿泊しているお客さまも利用できます。

----コロナ禍にも関わらず、集客数が増えた理由を教えてください。

ルトゥールノ 海外に行くことができない日本人の多くが、海外経験を求めていたからだと思います。日本のクラブメッドでは国際的な体験ができるため、コロナ禍では多くの新しい顧客を獲得することができたのでしょう。

ハーディング コロナ禍前の 2019年に比べて日本の新規顧客は 45%増えました。国内需要が増えたのは、コロナ禍に LCC(格安エアライン)「ピーチ」と初めて提携をしたことも理由だと思います。お得なパッケージを販売したことで、新規顧客の開拓になったと思います。

 オールインクルーシブは最初に一度に払うため、高額に感じるかもしれません。しかし、現地でかかるコストを計算するとお得なシステムと言えるでしょう。近年問題になっているインフレからも守ってくれます。

 何より休暇中にお金の心配がないのが一番の魅力。お財布は金庫に入れて遊びに行けばいいんです。コロナ禍で新規顧客がその魅力を体験され、リピーターになってくれているようです。特に若い世代に支持されていると思います。

 

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