「泊まる」を抽象化することで、提供価値の余白が広がる
----宿泊業界、今後どうなっていったらより面白くなると思いますか。
宿泊業は「観光」に向き過ぎだと感じています。どうしても宿泊業は観光業の付属品のような捉え方をされますが、それだけだとどうしても感染禍や国際紛争などの外部環境に大きく揺さぶられてばかりになります。これは、意識、捉え方の問題だと思っています。病院も宿泊業だと思いますし、先ほどお伝えしたサマーキャンプも、保育園がやっている「お泊り保育」も宿泊業だと思っています。
「泊まる」ということを、もっと深掘りして抽象化していく意味はあると思っています。そうすることでホテルというアセットの提供価値の幅がもっと広がるのではないでしょうか。
世の中の選択肢を広げるために仕事をしている
----最後に、欲しい人財像を教えてください。事業拡大を続けていると思いますが、ヒトも当然必要になってくると思います。どういう方と一緒に働いていきたいとお考えでしょうか。
はい、現在も全職種において募集しています。私たちは、「世の中の選択肢を広げる手段」としてホテルビジネスを営んでいます。まずは、この想いにコミットしていただける方となります。かつ、それぞれの立場で挑戦し、課題解決できる方。まだまだ小さな会社ですし、スピー
ド感が早すぎるために、企業としての課題も多く残されていますが、そうしたところを整備して、課題をクリアしながら一緒に走っていける方に来ていただけると嬉しいですね。
また、HOTEL CAFUNEを今後増やしていきたいと考えていますが、助産師や保育士のみならず、「ホスピタリティのプロ」と働きたいと思っています。比較的ロングタームでお客さまとお付き合いができ、赤ちゃんが徐々に大きくなっていったり、不安ばかりだったお母さんの顔色がみるみる明るくなっていくのに寄り添える接客ができるのは、おもてなし志向の方には大きな遣り甲斐を感じられる仕事だと思います。
龍崎翔子さんが 2021年にプロデュースしたブティックホテル『香林居』の一室。ホテルコンセプトは、「新しい金沢時間を処方する」