----産後ケアリゾート「HOTEL CAFUNE」、これについて詳しく教えてください。
以前より、ホテルとはメディアであり、『ライフスタイルを試着する場所』であると考えていました。そんな中で、1泊、2泊といった短いスパンではなく、より長期的にご滞在いただくことでゲストの人生の一部をお預かりし、よりそのかたが望んでいる方向に導くようなことができるのではと考えている折、産後ケアという概念に出会いました。出産を終えた直後の女性は、体力的にも精神的にも不安定です。
また、家族が増えることで、それまでの自分自身の時間を自分のためだけに使える生活から、新しいライフスタイルへとシフトチェンジしなくてはなりません。そんなセンシティブな時期を、助産師さんや保育士さんのサポートのもと、身体をしっかり休ませたり育児を学んだりできるホテルです。
現在は、川崎の東急 REIホテル様の中の8室をお借りして、「ホテル・イン・ホテル」のような形で「産後ケアリゾート」を運営しています。滞在期間は予想以上に長く、2週間ほど滞在される方が多く、一番長かった方で4週間という方もいらっしゃいました。ホテル運営者として面白いと感じるのが、お客さまの出産という人生のなかの大切な節目において、長い時間寄り添っていられるということです。今後は全国のホテル様と協業しながら拠点展開を進めていくほか、自社ビル開発も考えています。
----今後のヴィジョンを教えてください。
単なる「泊まれる空間」としてのホテルではなく、「宿泊体験によって、その人の人生の選択肢が広がる」ようなホテルを、「観光」という文脈以外で創っていきたいと思っています。例えば今構想しているのは、産後ケアリゾートの延長で「泊まれる児童館」があっても面白いのではないかと思っています。
出張などが多い両親が子育てする際、日中だけ預かるのではなく、泊りがけで預かるキッズホテルです。子供のサマーキャンプというものがありますが、あの365日版のような施設で、学びや遊びのプログラムを多数用意し、教育的な要素も持たせながら、ご両親・子ども双方の選択肢を広げることができればと考えています。
2022年9月23日号 トップインタビュー (株)水星 (旧・L&G GLOBAL BUSINESS, Inc.)代表取締役 龍崎 翔子 氏
トップインタビュー (株)水星 (旧・L&G GLOBAL BUSINESS, Inc.)代表取締役 龍崎 翔子 氏
【月刊HOTERES 2022年09月号】
2022年09月22日(木)