店舗エントランス。店名にある「HESTIA」は、ギリシャ語で“炉の女神”を表しており、加えて、“家庭生活を守る神”としてもあがめられている。そこからインスパイアされた店内は、炉で暖を取るような温かみと共に仲間や大切な人と過ごしてもらいたいとの思いを、薪火の香りを伴う形で表現した空間になっている
銀座にまた一つ、魅力的なレストランが誕生した。「OKURA CLUB&HOTELS」が、次世代都市型プロジェクト「HESTA Smart City」の一環としてオープンした「HESTIA GINZA」だ。同店は、薪焼きと旨味スープの、ダブルシグネチャーメニューによる展開をしている興味深い店舗だ。
運営母体である大倉グループは住宅メーカーをメインの生業としており、もともとSDGsへの意識が高い。その観点から、同グループではレストランで提供する食材にも強いこだわりをもっており、「HESTIA GINZA」で使われている和牛は、契約農家に特別な飼育を依頼する近江大倉和牛と、自社銘柄の和牛だ。魚介類も基本的に国産の良質なものを用い、キャビアに至っては近大キャビアを使用するなど、“おいしさのイノベーション”も積極的に採用している。また3種類で展開される“UMAMI SOUP”の黄金だしには、規格外であるという理由だけで食用には用いられてこなかった舞鶴産の鰆を、京都のかつおぶしの老舗ににぼしにしてもらうことで活用している。
「HESTIA GINZA」の象徴でもある薪火グリル。お客さまにライブでその香りとシズル感を味わっていただきたいと、グリルはメインフロアにあるバーカウンターの中にしつらえた。近江大倉牛が薪火で焼かれる香りは、おいしさへの予感と共に、場の雰囲気を華やかにすると好評だ
そのこだわりは食材や環境への意識に留まらず、美味しさにも向けられている。中でも、滋養食としても評価の高い“UMAMI SOUP”は美味しさの点でも評価が高く、当初はコースのスターターとして提供していたが、ラストまでスープ鍋をテーブルに置いておいて欲しいというお客さまの声があまりに多かったことから、今ではスープ鍋を下げないスタイルに変更したという。その腕前は他の料理にも発揮されており、バーカウンターもあることから、将来的にはレイトタイムのアラカルト対応にも期待したいところだ。
加えて、同店にはもうひとつ注目してもらいたい魅力がある。それはデザートだ。季節のフルーツをエスプリにしたデザートは、甘さ控えめながら食べ応えがあり、甘いものが苦手なお客さまでも美味しく食せるであろう、自然体な一品に仕立てあがっている。もちろん、スイーツ好きにたまらない魅力があるのはいわずもがなだ。
銀座は土地柄、ビジネスやマダムたちのランチ需要が高く、8月にスタートするランチ営業にも今から高い期待が寄せられている。
猛暑にコロナと、体力を消耗する夏を迎えている。ぜひ、「HESTIA GINZA」の“美味しい滋養”に足を運んでもらいたい。
HESTIA GINZA
https://hestia-ginza.com/
担当:毛利愼 mohri@ohtapub.co.jp