文:濱本 瑞 (TARO編集部) / 構成: TARO編集部・HOTERES編集部
TARO編集部企画「TARO宿泊記」では、実際に宿泊して体験した国内外のホテルや旅館の魅力、夕食・朝食レポートなど、宿泊したからこそわかるリアルな情報を余すところなくお届けしています。
今回は昨年2021年11月末にフランスのパリを取材中に滞在した『ザ・ペニンシュラパリ』をご紹介します。2014年の開業以来、その威厳ときめ細やかなホスピタリティで世界中のVIP達を魅了し続けてきたザ・ペニンシュラパリの歴史、伝統的な建築様式、そしてパリに君臨する「東洋の貴婦人」の遺伝子が導く魅力に迫りながら、今年3月にミシュラン二つ星を獲得したばかりの最上階にあるフレンチレストラン「ロワゾー・ブラン= L'Oiseau Blanc」の極上な美食体験とその世界観もご紹介します。
ザ・ペニンシュラパリ
ザ・ペニンシュラパリ The Peninsula Paris
ホームページ/https://www.peninsula.com/ja/paris
住所/19 avenue Kléber 75116 Paris France
電話/+33 (0)1 58 12 28 88
「パラス」ならではのスケール感と東洋の隅々まで行き届いた質の高いホスピタリティ
2021年11月29日朝9時30分、フランクフルト経由でパリに到着。
シャルドゴール空港の到着ロビーを出ると、ホテルからの送迎サービスのフランス人ドライバーが優しい笑顔でネームプレートを持ち、我々の到着を待ちわびていた。
利用客向けに空港とホテル間のみならず、観光、パリ周辺への送迎サービスを提供しているこのホテルは、1934年製のロールスロイス・ファントム IIをはじめ、ホテル使用にカスタマイズされたBMW、MINIクーパーなど幅広い車種が選べるというのも売りの一つでもある。今回我々には最新の黒いBMW車が出迎えてくれた。フランス人紳士ドライバーの知性溢れるユーモアにすっかり長いフライトの疲れも消え、車窓からの景色を眺めながらパリ中心部が近づくにつれ気分も上がりはじめた。
走ることおよそ1時間弱。シャンゼリゼ通りから凱旋門が目に入ると徐々に期待に胸を弾ませた。そう、この凱旋門からわずか400mという最高なロケーションに今回宿泊する『ザ・ペニンシュラパリ』があるからだ。
ホテルは凱旋門からわずか400メートルという絶好の立地
スッと我々の黒いBMWがアベニューポルテュゲ側のメインエントランス前に停まり、ドアマン達は細やかな気配りとユーモアたっぷりに出迎えてくれた。彼らのスマートな身のこなしも実に気持ち良い。この家族のような温かいおもてなしと出迎えは正しくザ・ペニンシュラホテルズのあの完全無欠なDNAであり、ここパリでも脈々と受け継がれているとに改めて気づかされた。これから滞在するペニンシュラでのステイに益々期待は膨らむばかりだ。
アベニュークレベール19番地。ザ・ペニンシュラホテルズの象徴である守り神の白い獅子が鎮座する正面玄関のファサードを目の前に建物の前に立つと、威風堂々としたその姿に「東洋の貴婦人」と称されてきた「ザ・ペニンシュラ香港」をはじめ、どのペニンシュラでも醸し出されている優美さと格式の面影を感じた。そして重厚感のある造形美、貫禄たっぷりの堂々とした姿を暫く眺めていると、その美しい芸術的な姿に刻まれた壮大な歴史ロマンに思いを馳せずにはいられなかった。
間違いなく長い時代を渡り歩いてきたような只者ではない存在感を放っていた。