蝶々夫人の世界へタイムスリップ~迫力の劇場型空間の中で味わうパリ屈指の広東料理の名店:中国料理 『LiLi』
入口から一歩足を踏み入れた瞬間、まるで映画の「ラストエンペラー」や「蝶々夫人」の世界に入ったかのような感覚を感じた。中国のオペラ歌劇にインスパイアされたインテリアに囲まれた店内の疑似的感覚、臨場感の再現ぶりはお見事だ。
パリ在住の中国人がパリ一番の広東料理と太鼓判を押すほどパリ屈指と評判のレストラン『LiLi』。かつて女性が舞台に立つことを許されなかった時代に活躍をした女性京劇歌手に敬意を表し、京劇の気品と優美さが随所にちりばめられているレストラン内のインテリアは圧巻そのもの。実際の京劇の舞台を表現した劇場的なメインダイニング、カップルなど2人で座れるボックスシートは一番人気ですぐに予約が埋まってしまうとのこと。
メニューも一ひねりも二ひねりも加えられている。一幕、二幕、三幕とまるでオペラのお芝居を楽しむかのような設定になっており、まさに多次元空間を演出している。五感を刺激させる心から満足できる食の時間を堪能することができた。
パリにいながらにして洗練された本格広東料理を味わえるお店はごく少数と言われている。さらに上質な本場の北京ダックにありつけるお店は少ない。ということで、今回我々が注文した料理は、ザ・ペニンシュラ東京でもシェフを勤めた経験を持つ、香港人シェフのディッキー・トォ氏がお勧めする北京ダックと点心を早速注文。その他にも2品注文。丸々1羽の北京ダックを二人で食べ切るには少々無理はあったが、気合を入れて完食。最後のデザートは濃厚なタピオカ・マンゴーで締めた。ボリューム・質ともに大満足でどの料理も評判通りで絶品だ。多くのパリジャンやパリジェンヌ、そして宿泊ゲスト達を魅了し続けている理由に納得させられた。
ディッキー・トォ(Dicky To)氏プロフィール
香港出身のディッキー・トォシェフは、輝かしい経歴と広東料理への真の情熱を持ってLiLiにやってきました。上海と東京のザ・ペニンシュラホテルズのレストランをはじめ、アジアで最も権威のある厨房でリーダーシップをとってきた彼の料理人としてのキャリアは、高く評価されている。LiLiでは、その卓越した技術と世界中から集めた最高の旬の食材を使い、中国料理のレベルをさらに高めていきます。