イギリスの国民酒ともいえるジンに、新たなトレンドの変化が起こり始める
イギリスの国民酒といえば、ビール同様に知られている蒸留酒ジン。国内市場でもジンは人気だが、イギリスは世界最大のジン輸出国でもある(年間輸出額は現在 6億ポンド強/約 919億円を超える)。輸出先は、アメリカ、オーストラリア、スペイン、ドイツなどが上位を占めており、日本は EU圏外の輸出先としてトップ 5に入る。そのジンのトレンドの中心にいるのがクラフトジン。特に今回紹介する 4本は、品質にこだわったプレミアムブランドという評価を得ており、2000年代半ばイギリスで始まった “ジン・ルネサンス ”を牽引する存在だ。イギリスでは多種多様なジンのなかから、自分にあった銘柄と飲み方を見つけるテイスティングが流行していると聞く。そこで次代の一本に挙がりそうなこの 4種を、バーテンダーの皆さんに試飲いただいた。
Tasting Members:浦田 晃一氏(フォーシーズンズホテル丸の内 東京/ヘッドバーテンダー)富田 上総氏(ヒルトン東京/セント・ジョージ バー シフトリーダー)鎌田 真理氏(ザ・ペニンシュラ東京/ビバレージマネージャー)宮地 信吾氏(コンラッド東京/バー &ラウンジ トゥエンティエイト アシスタントマネージャー)
※本対談は、写真撮影以外の会話時には適切な距離を保ち、マスク着用等の感染症予防対策を徹底し行なわれた。
ENGLISH GIN#1 COTSWOLDS コッツウォルズ Dry Gin
こだわり抜いたボタニカルが織りなすクラウディスタイル
スピリッツにジュニパー、コリアンダー、アンジェリカルートなどを漬け込み、フレーバーが十分に抽出されたところに、ラベンダー、ベイリーフ、ピンクグレープフルーツやライムの皮、黒胡椒、カルダモンシードを加える、9種のボタニカルをブレンドして作られた【COTSWOLDS】ドライジン。使用しているボタニカルの量が非常に多いため、氷やトニックを入れると美しい真珠のような雲が現れる。輸入代理店/スコッチモルト販売(株)
COTSWOLDS コッツウォルズ
Dry Gin
評価 from鎌田 真理氏
「非常に個性的なジンです。これだけ個性があると、シンプルにマティーニなどで楽しむのもいいのですが、卵白と一緒にリキュールを入れシェイクして、その泡の上にラベンダーがあるなんていうインスタ映えする一杯というのもよさそうです。」
評価 from宮地 信吾氏
「花のようなニュアンスやスパイス感が印象的な一本。山椒や生姜といった和のテイストのものとも合う気がします。シンプルにそのままを味わっていただくのがいいと思いますが、そこに蜂蜜などを加えてもいいのではないでしょうか。」
評価 from浦田 晃一氏
「フローラル、フルーティーな香りの印象が強い、度数は高いですが女性にも受け入れてもらえるようなジンだと思います。ガーニッシュやフルーツをお客様自身が選んで入れられるような、ちょっと気の利いたサービスが似合いそうです。」
評価 from富田 上総氏
「インパクトがありますね、アルコール度数の高さからくる香りの強さが印象的です。ただ、度数が高いけれど女性にも飲んでいただきたいと思いました。香りを楽しむジンとして紅茶などと合わせて、低アルコールで提供するのは面白そうです。」
COTSWOLDS Story
見るに美しい銅製ポットスチル(単式蒸溜器)で「ワンショット蒸溜(ボタニカルを浸漬した液をまとめて一度に蒸溜する)」製法によって作られる【COTSWOLDS】ドライジン。
そのバランスは絶妙で、芳醇かつ香り豊かなスピリッツとして、ワールド・ジン・アワードにて“ ベスト・ロンドン・ドライジン” など、数々の賞を受けている。