リーマンショック時におけるキャップレートの変化と比較しますと、07年 11月から08年 11月の変化で+1.63%であり(2007年 11月5.33%から08年 11月6.96%)、今回のコロナ禍ではキャピタルマーケットの影響が前回より低いためか、変動幅はリーマンショック時の方が大きいという結果でした。キャップレートが低下すれば、仮にホテルや旅館の価値が収益性で決まりかつ純収益が一定であるとすれば上記収益価値の計算式よりホテルの市場価値は上昇することになります(上:事業収支前提キャップレート、下:賃貸収支前提キャップレート)。21年以降のキャップレート水準はほぼ安定化しており、キャピタルマーケットは冷静に観光宿泊業界を静観している様子がうかがえます。
2022年3月4日号 新しい視点「ホテルの価値」向上理論 ホテルのシステム思考
第480回 ホテル旅館のキャップレート調査(16)
【月刊HOTERES 2022年03月号】
2022年03月03日(木)