弊社では年 2回ホテルおよび旅館の還元利回り(以下、キャップレート)の調査を実施しています。今回は、2021年 11月に実施しました調査結果をご紹介したいと思います(回答者数 34人)。このキャップレートとは、ホテルの純収益から価値を求める際に使用する利回りです。「収益価値×キャップレート=純収益」より、逆に「純収益÷キャップレート⇒収益価値」として収益価値を試算する際の指標となります。
ホテルのキャップレートは、リーマンショック以降大幅に上昇に転じ(収益価値は逆に下落する)、その後もSARSや大震災等の影響を受けてきました。近年ではホテルを取り巻く外部環境に好材料がそろい、12年以降当該利回りは低下傾向を強く示していましたが、20年から発生いたしました新型コロナウイルス感染症の影響を受け、キャップレート水準が上昇に転じました。19年 11月調査結果と21年5月調査結果を比較しますと、賃貸に供されているホテルに対するキャップレートで約+0.89%でした(2019年 11月4.94%から21年5月5.83%)。
北村剛史
Takeshi Kitamura
(株)日本ホテルアプレイザル 代表取締役/(株)サクラクオリティマネジメント 代表取締役/(一社)観光品質認証協会 統括理事不動産鑑定士、MAI(米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)
ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である(株)日本ホテルアプレイザルの代表取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科在籍時には「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究。
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