激変の中でも静かに前進し続けるフランスのホテル・飲食産業
さて、最高峰のラグジュアリーホテルの経営者達の取材インタビューや会場での出展社の質疑応答などで目白押しだったILTMの4日間のみっちり取材の他に、今回はカンヌのお隣のニースやパリでは「美食」とラグジュアリーホテルの内覧と取材で毎日東奔西走しておりました。
その中でも目玉となった取材は、泣く子も黙るフランス料理界の巨匠、アラン・デュカス氏プロデュースのナチュラリスト・菜食中心のレストラン2店舗、世界初の100%電気エネルギーの遊覧船で美食を愉しむアラン・デュカスが手がけるディナークルーズ「Ducasse sur Seine」(デュカス・ シュル・セーヌ)。そして会うことさえも難しい中で快諾いただいたご本人との直接インタビュー。ラグジュアリーホテルに関しては、数少ない5つ星以上の最高ランクのホテルに与えられる『パラス』の称号をもつ『ザ・ペニンシュラ パリ』、昨年2021年9月のパリ1区、パリ最古の橋ポンヌフの下に流れるセーヌ河沿いにオープンしたルイ・ヴィトン、ディオールなどのブランドを傘下に持つブランド界の頂点『LVMHグループ』待望の都市型高級ホテル『シュヴァル・ブラン パリ』を隅々まで内覧させていただきました。
これらの様子は、オータパブリケイションズのラグジュアリートラベルメディア『TARO』の公式ウェブサイト、公式Facebookページ、そしていよいよローンチが今月に迫るYouTubeチャンネルにて近日公開しますので、お楽しみに。
取材を通して感じたのは、「コロナ禍」って一体何なのか?と思ってしまうほど、フランスを中心に欧米のホスピタリティ、グルメ、旅行業界も足踏み状態を見せることなく力強く前進しているということ。完全にポストコロナは概ね織り込まれ始め、社会経済活動は「(一定の感染を許容していく) ウィズコロナ」という流れがほぼ確立されているというのを強く感じました。その辺は少し日本との温度差というのはあるものの、変異種の出現、再拡大の波が襲う度に行動制限の強化が繰り返されるフェーズから制限緩和とウィズコロナへの転換フェーズへどのようにスムーズなエントリーしていくのかが日本の今後の大きな課題であり、是非はあるものの、私たちが欧米の知見から学ぶべきことは多いのではないかと思いました。
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文:濱本 瑞(株式会社オータパブリケイションズTARO事業部 CTO/マネジングエディター)
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