今後の宿泊市場は、これまで以上に個人市場を意識する必要があります。個人市場の特徴の一つに、滞在体験を彩る個々のシーンに対する評価に、個人市場ならではの認知的なバイアス、無意識での思考の偏りが働くことが挙げられます。代表的なバイアスに、第一印象にその後の評価が左右される「ハロー効果」や、結論が妥当であれば過程までも正しいと評価してしまう「信念バイアス」等が挙げられます。それらさまざまな認知要素の他、宿泊施設では、ある時点での評価の「事前期待」が大きく関与し、体験が評価されていると考えられるのです。
以下では、大きく4つのシーンで宿泊体験が構成されるものと仮定し、順次その際の印象の良し悪しが、どのように総合的な評価に影響を与えているか調査した結果をご紹介したいと思います。
北村剛史
Takeshi Kitamura
(株)日本ホテルアプレイザル 代表取締役/(株)サクラクオリティマネジメント 代表取締役/(一社)観光品質認証協会 統括理事不動産鑑定士、MAI(米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)
ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である(株)日本ホテルアプレイザルの代表取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科在籍時には「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究。
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