支えてくれたお客さまとの間に幸せの輪が生まれたことに「ありがとう」を伝えたい
----人材の確保、維持についてはどのような取り組みをしていますか。
ホスピタリティー産業は何よりも「人」によって成立しているビジネスですから、チームにとって人はかけがえのない財産です。その維持のためにメンバーが成長するためのトレーニングの機会を設け、未来が見えるような社内的な取り組みに焦点をあてて取り組んでいます。スキルなどを学ぶことのできる機会を直近 6カ月間で 600時間用意しましたが、この取り組みは今後も継続していきます。
女性のリーダーシップについても私たちは強い面を持っていて、現在マネージメントの 50%が女性メンバーとなっています。ホテル全体で見ても女性メンバーは52%と過半数を占めていますが、彼女たちの活躍を私は誇りに思っています。
デュアルランゲージのプログラムについても力を入れています。東海エリアにおいて、これほどインターナショナルに言語が飛び交っているホテルはほとんどありません。その意味チームメンバーは、多言語を学ぶ機会に絶えず恵まれている環境で働いていると言えるでしょう。
今後は新規開業するホテルがたくさんあります。2020年に開業したヒルトン沖縄瀬底リゾートに続き、ヒルトン広島、ウォルドーフ・アストリア東京日本橋、ヒルトン・ガーデン・イン京都四条烏丸、ヒルトン沖縄宮古島リゾートなどがオープン予定となっていますので、新しいグループホテルに私たちが抱えているタレントを輩出していくという意味でも、トレーニングを継続していことには大きな意義があります。
----SDGsの取り組みはどのように進めていますか。
SDGsについては、ホテル産業にも大きな責任が課せられていると考えています。ヒルトン名古屋で始めているのは、食材として使用する海産物の 20%を持続可能なものにする「サスティナブルシーフード」の取り組みです。お客さまが求める食べ物に関する意識も変わってきていると思いますので、ニーズに合わせて私たちも意識的な取り組みを推進し、従来以上にお客さまやコミュニティーの方々に向けてホテルの魅力を積極的に伝えていきたいと思います。
プラスチックの使用を廃止する努力ももちろん続けていきますし、ホテルで使用する光熱エネルギー量も少しずつ減らしていこうとしています。1年で達成できるような目標ではありませんが、年々減少していけるようなアクションを続ける必要があります。
----未来に向けたメッセージをお願いします。
大きく二つのメッセージがあります。一つめは「トンネルの先に希望の光は見えている」ということです。希望の光に近づいていることのエビデンスとなるさまざまな数字も出てきていますから、ホスピタリティー業界には明るい未来が待っているという希望を皆さまとシェアしていきたいと思います。
二つめは、「お客さまにありがとうと伝えたい」ということです。コロナによるパンデミックが始まってからの約 19カ月間、ホテルを利用してくださるお客さまがいらっしゃらなければ私たちの業界は成り立ちませんでした。お客さまには心より感謝を申し上げます。
コロナ禍において 30日以上の長期滞在をしてくださったお客さまから、私たちのサービスに対するサンキューメールをいただきました。「どのチームメンバーと話をしても、みんなが笑顔で返してくれることがうれしかった」という内容でした。そしてそのメールが、逆に私たちを幸せな気持ちにしてくれました。お客さまのおかげで幸せの輪が生まれていることに対して、ヒルトン名古屋を代表して「ありがとう」という言葉を伝えたいと思います。