弊社が調査した結果、世界で見られるホテルの不動産賃貸借契約型運営方式の特徴を整理すると以下のとおりでした。 賃料支払い条件では、(a)固定賃料(Fixed)、(b)歩合賃料(Variable a share of revenues or profits)、(C)ハイブリッド型賃料(Hybrid a combination of (a) and (b))に分けられます。
最も保守的であり、他用途でも見られる賃料支払い条件が、固定賃料となります。国際会計基準審議会が制定した財務報告基準のリース基準(IFRS16)では、固定賃料に基づく不動産賃貸借契約に基づく将来負債は、資本還元して貸借対照表に計上する必要があり、賃借人側にとってはいわば資本コストとなっています。賃貸人側からすれば、固定賃料の蓋然性を担保する上で、預託金の支払いや第三者保証を求める傾向が強く見られます。賃貸人側のメリットとしては、将来期待される賃料収入(固定賃料)を、資産として計上することで、金融機関に対する信用力保管・強化材料ともなります。
2021年9月3日号 新しい視点「ホテルの価値」向上理論 ホテルのシステム思考
第457回 昨今の海外ホテル不動産賃貸借契約の状況や動向整理(1)
【月刊HOTERES 2021年09月号】
2021年09月02日(木)