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第3回 連載 第3回 求められる人材を探る「Wプロフェッショナルズ」

神戸国際大学 経済学部 都市環境・観光学科 教授 中矢英俊 氏

【月刊HOTERES 2015年09月号】
2015年09月24日(木)
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マナーやスキルを超えるものは
「心」しかない
 
中矢 外資系のホテルではマニュアルが徹底されていますので、世界どこでも均一なサービスが提供されます。マナーやスキルという点では日本の一流ホテルも大差はありません。実務における即戦力という点では、インターンシップなどで実務経験を持つ専門学校生の方が人手不足のホテル側にとっては役に立ちます。しかしながらマニュアルを超えるものは「心」しかなく、一期一会のホスピタリティーをどこまで発揮できるかは“感性”を磨くための人間力向上しかないのです。最近は大学でも即戦力化に重点を置いて専門学校化したような取組みを重視しているところも増えています。もちろん、実務も大切なことですが、それ以上に人間としての基本的な姿勢やモラル、そしてホテルマン、ホスピタリティー産業従事者として求められる資質、感性、向上心を高めていくための教育が必要だと思います。
 
福永 ウエディング業界でも、今、お客さまが何を思い、どう感じているのかを読み取れないプランナーが増えてきました。私たちの時代は先輩の言動を見よう見まねで覚えたり、経験を積むことで自身のモノサシ作りをしてきました。ただただお客さまによろこんでいただきたいという一心で自然と行動していたように思います。もちろん、全てではありませんが、今の世代はさまざまな環境の変化もあり、なかなか私が育ってきた時代のように感動したり、感動させられることへの喜びを自分自身で見出せないプランナーも多いようです。
 
中矢 実際、20 歳そこそこの年齢でウエディングプランナーの仕事は重いことでしょう。“華やかなイベント作りが面白そう”という感覚でウエディングを選択する学生もいて、何となくイメージで選択しています。ところが実務としては描いている楽しさとはほど遠い現実があります。私は大学で「ホテル・ブライダル・セレモニーコース」を担当しており、ブライダル実践論など模擬結婚式を行なうような専門的な授業に加え、ウエディングとは切り離せないホテル産業・ホスピタリティビジネスについて教えています。また、観光全般に関する授業もコースにかかわらず取り入れ、幅広い知識により視野を広げることで狭い発想や考え方ではなく、幅広い、包括的、経営的な視点に立った見方、考えができる人材育成に努めています。単にイベントが好き! ぜったいブライダル! という感覚から一歩成長させることにより、次世代の業界に寄与できる人材を送り込めると思うからです。

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