自社の魅力をブランドイメージに 街に愛される "ランドマーク "をめざす
----マーケティングの強化とは、具体的にはどのような策を講じていくのでしょうか。
大きく三つあります。自社の魅力をしっかりと定義することと、より多くの方にその魅力を知ってもらうこと、そしてリピーターになってもらうことです。リミテッドサービスのホテルはハード部分での差別化が難しく、ウィングは古い店舗も多いことからさらに難しいと感じています。ではどのように競争優位を築くかと言うと、われわれのビジョンである「その街に永く愛される、"ランドマーク "をつくる」を形にすることだと思っています。現在、各ホテルで地域と連携し、地域の窓口になるための具体的な施策を考えてもらっており、7月以降実施する計画となっています。
最初は簡単なことからスタートし、地元のお菓子を紹介したり、手作りの地元案内マップを作成したり、ランニングマップを作成したりしてお客さまに提供する予定です。最終的にはホテルで地元のさまざまな魅力を発信していきたいと思っています。そして大事なのは、そのような取り組みをしっかりと多くの人に伝えていくことです。これまであまりPRを行なってこなかったので、今後は積極的にプレスリリース、SNS、ウェブ広告等でミナシアの魅力を発信していきたいと思っています。
三つ目のリピーターですが、地方型店舗に宿泊される方の 50%以上が電話予約によるもので、お得意様が多いことが特徴です。そういったアナログでの対応を大切にしながらも、顧客情報の管理を見直したいと考えています。現在、リピーター向けのポイントカード「ホテルウィングメンバーズカード」を発行していますが、ユーザー情報を有効活用できていないことが課題です。お客さまの利用動向やニーズを分析し、その先のサービスを提供することは急務と考えています。
-−−−新規開業計画や人材採用に関する予定をお話しください。
2019年に発表した中期計画では、23年までに 60店舗を目標としていました。現在、全国に39店舗(21年 6月末時点)を展開しています。当社のポートフォリオの特徴でもあるのですが、30年以上前から注力しているローカルでの展開がいまはとても上手くいっています。コロナ禍で、約4割を占める都市部の需要は確かに落ち込みましたが、茨城県日立や福島県須賀川、熊本県八代、宮崎県都城、鹿児島県出水などは、この時期でも大変好調でした。
また展開エリアで言いますと現在、北海道には 5店舗ありますが、沖縄はゼロなのでここでの展開を目指しています。やはり日本人の観光目的地と言えば北海道と沖縄がダントツだからです。今後、地域と連携して各店舗の特色を打ち出していこうと考えていますので、将来的には 47都道府県をクリアしたいと思っています。各地域で連携することができれば、さらにプレゼンスは高まると感じます。
新規出店は主にマネージメント契約での展開を考えています。筋肉質になったオペレーターとしてのノウハウや従業員の教育、セールス&マーケティングを提供することでより多くのホテルオーナー様をサポートしていきたいと思います。6月15日にホテルウィングインターナショナルプレミアム渋谷がオープンしましたが、こちらもマネージメント契約です。渋谷に開業できたのも、オーナー様にミナシアのオペレーターとしての力を評価して頂いた結果だと思っています。
----コロナ禍により、運営が継続できずテイクオーバーした施設が全国的に浮上しています。リブランド展開について、興味はありますか。
当社のポートフォリオは宿泊主体型しかありませんが、将来的にはフルサービス型やリゾートなども増やしていきたいと考えています。また海外含め、現在展開していないエリアで、そのような話が出ましたら積極的に引き受けたいと思っています。数を追求していくことはお客さまの利便性を高め、運営の効率化にもつながります。店舗数が多いほどブランド構築が容易になり、同時にマーケティングも強化していきますので、より多くの方に魅力を伝えられるはずです。やれること、やりたいことがいっぱいあります。今後のミナシアにご期待ください。