本部と現場の連携でオーナーニーズに対応
ノボテル沖縄那覇
総支配人
坂本 公敏 氏
(Kimiharu Sakamoto)
ホテルニューオータニ、グランドハイアット福岡、ハイアット リージェンシー 大阪等で勤務の後2006 年ソラーレ ホテルズアンド リゾーツ(株)入社。ロワジールホテル沖縄、オキナワ マリオット リゾート&スパの総支配人を歴任し16 年4月にリーガロイヤルグラン沖縄の総支配人に就任。17 年10 月より琉球ホテルマネジメント(株)入社。ホテル開業準備室長を経て、18 年9 月より現職。
----外資系であるアコーのノボテル沖縄那覇、そして独立系ホテルであるホテルスプリングス幕張と、まさにまだ日本では浸透していない、運営を専門にさまざまな地でそこに合ったホテル、ブランドで運営するサードパーティーオペレーターという印象です。一方で、各施設と本部の連携はいかがでしょうか。
沖 EastGate ホスピタリティ-では以前よりホテル開発のコンサルティング、運営のコンサルティング、アセットマネジメントのサポートを手掛けておりました。そして、先にお話しした通り私はホテル運営企業での経験もありますので、オペレーションの現場の大変さも理解をしております。そこは本部でサポートをすべきだと考えており、またオーナー様への説明は本部が積極的にかかわっております。また、営業的には東京に大手旅行代理店、OTA の本社がありますので、そこへの営業は本部でも行なっております。
坂本 運営はもちろんですが、オーナーミーティングなども本部がサポートをしてくれています。このような変化の多い時期ですから、私たちもオペレーションに集中をしなければならず、手が回らない時もあります。その時のサポートは力強いですね。
金田 現場は本部のサポートがあって集中できるということを実感しています。私は前職で現場を離れた本部にいた時は戦略策定に多大な時間をかけていたけれども、その全てを実行できていませんでした。それでは、そのかけた時間が有益であったとは言えないでしょう。その反省もあり、現場でしっかりと計画を立て、実行する、これをできるのは、本社のサポートがあってこそだと実感しています。
沖 例えばこのコロナ禍でどのホテルの経営も厳しい状況にあります。そこで、例えばオーナー様が「人件費を削減してほしい」というリクエストがあったとします。この状況ですから、数字だけ見ればそれは明らかです。しかし、私たちは現場の視点、大変な状況も理解しています。そこで、短期的な視点、中長期的な視点を合わせて、オーナー様の要望も理解しながら「こうしたらどうか?」など、建設的なディスカッションを通じた最適なオペレーションを実現できるわけです。
新規展開も続々
----本当に先が見えない中ですが、ホテル運営の視点では変化の多い市場で短期、中期的に、EastGate ホスピタリティーとしては長期的な視点も含め、現在のお考えを聞かせてください。
坂本 マーケットの先行きとしてはポジティブに見ています。2019 年の来沖者は約1000 万人。これからさらに増えていくぞという時に新型コロナウイルスの影響で270 万人と落ち込みましたが、将来的なポテンシャルは十分にあると見ています。また、ニューノーマルと言われるように旅の形も変化をし、新しい需要も生まれると見ています。私たちも、コロナ禍では苦しみましたが、先にお話しした通り新しい需要を獲得できるなど良い学びの時期となりました。観光立県を目指す沖縄において、既存の需要、新しい需要、それぞれを柔軟に取りにいく運営を目指します。
金田 坂本さんが言うように売れる商品を“創って”いかないといけません。そして、それはこれまでのホテルの需要以外のものも含めてです。
例えば、ホテルスプリングス幕張ではクラシカルな施設を武器にロケの撮影地としての売り方を模索し、すでに多数の問い合わせをいただいています。そして、その売り上げはほぼノーコストです。このコロナ禍がなければそうしたことも考えなかったでしょう。
需要を「創る」。変化する市場の中でさまざまなことを考え需要を創るために考え、市場に打ち出していかないと売り上げは下がっていく転換期に来ていると考えています。
沖 弊社は現在2軒のホテル運営を行なっておりますが、現時点では詳細はお話しできませんが、すでに契約を終えた新規開発の外資系ホテル運営案件含め、さまざまな案件を進めています。また、新型コロナウイルスの影響で厳しい状況ですから、新規開業ホテルでもホテル運営会社が決まっていないとか、既存ホテルにおいても運営会社が撤退してしまったとか、さまざまなご相談をいただいています。
そうした中で、弊社としては、宴会場や会議室を持ち合わせているなど、他社と差別化しやすいホテルの運営を中心に考えています。
先の案件含め今年は数件のホテルの運営、また、新規ホテルの開発を公表できると思います。将来的には観光需要の戻りは間違いないと考えており、それを見据え毎年約5軒の案件獲得を考えています。