店舗内観。茶室を思わせる落ち着いた空間になっている
長年、レストランPRのジャンルで活躍する「officeK2M」の村上由氏がキャロライン・ケネディ元駐日米国大使時代に駐日米国大使館でエグゼクティブ・シェフを務めたマリベス・ボラー氏とタッグを組み、料理と日本酒のペアリングを楽しむ店「季苑」を銀座にプロデュースした。
カウンター8席の落ち着いた空間で供される料理はマリベス氏が佐賀で出会い“一目ぼれ”したという有田焼の李荘釜のお重からインスパイアされたもの。日本での生活の中で出会った日本各地の旬の食材や世界のさまざまなスパイスや食のエッセンスを融合した、個性豊かで優しい料理がコース仕立で提供される。そこに土井氏が選ぶ、おのおのの段に合わせ日本酒が出されペアリングを楽しむ形だ。現在はコースひとつでの展開だが、ゆくゆくはアラカルトや蔵元を招いてのペアリングイベントなども計画しているという。
ちなみに銀座という場所柄や日本酒のペアリングということで主にどのような層をターゲットにしているのか村上氏に伺ってみたところ、「もちろんあらゆる年代の方に来ていただきたいと思っていますが、ぜひこのお店をきっかけに若い女性の方たちに銀座で食事やお酒を楽しむということに親しんでいただけたらと考えています。銀座で日本酒というと少し敷居高く感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、むしろ日本酒には興味はあるけどあまり機会がないといった方にぜひ気楽に来ていただけたら嬉しいですね」とのこと。
今回、店内には空気清浄とウィルス対策の観点から低濃度オゾン発生器「TS100」を7器設置した。低濃度オゾンガスでも、新型コロナウィルスに対する除染効果にもエビデンスが出ており(藤田医科大学 村田貴之教授談)、自然の中にいるような癒しと安心安全の両面からくつろげる空間が用意されている。入店に関しても17時半、19時半の完全入れ替え制としており(※今後、時勢を鑑み変更の予定)、まだまだ続くwithコロナの時代に多角的に配慮された形だ。加えて同店はアフターコロナに回復が見込まれるインバウンドニーズにも好まれる魅力を各所に織り込まれており、日米のカルチャーが作り上げる「季苑」が銀座にどんな新しい風を吹かせるか、ぜひ注目したい。
季苑
https://www.kion-ginza.jp/
左からコンセプトプロデューサーの村上由氏、コンセプトメーキングと料理監修を行ったマリベス・ボラー氏、日本酒セレクトやペアリングを担当している土井貴文氏