DOCと二つのDOCG併せて6億本に及ぼうかという生産量を誇るプロセッコにロゼが加わり、世界一飲まれているスパークリングワインとしての地位がさらに確固たるものになろうとしている
年間3000万本を生産 市場の期待膨らむ
イタリア・ヴェネト州トレヴィーゾに本部を置くプロセッコDOCワイン保護協会(Consorzio di Tutela della Denominazione di Origine Controllata Prosecco, https://www.prosecco.wine)は5月21日、スパークリングワインを主とするプロセッコDOCのロゼタイプの導入案を含む、プロセッコDOCワインの製造規定の修正に関する提案が、同国農林水産省のワイン委員会で満場一致で承認されたと発表した。
同協会ではこれまでも、ロゼのプロセッコ導入の可能性に触れてきており、英国や米国市場におけるプロセッコ・ロゼへの期待に関する調査結果も発表してきた。昨年も、2019年収穫分からの発売開始が見込まれていた中での悲願の一つと言えるだろう。
同協会のステファノ・ザネッテ会長は「ワイン業界にとっても特に厳しいこの時期に、重要な成果を得るために貢献してくれたすべての人たちに感謝したい」と述べた。
プロセッコ・ロゼはグレーラ種と10~15%のピノ・ネロ種(ピノ・ノワール)で、60日以上のタンク内二次発酵(マルティノッティ/シャルマ方式)によるスパークリングワイン。1ha当たりの収穫量はグレーラが18t、ピノ・ネロは13.5tとされている。ラベルには「ミッレジマート」(millesimato)の表記とヴィンテージを記載する必要があり、表記した年のブドウを85%以上使用することが義務付けられる。
ワイナリーでもプロセッコ・ロゼの承認を歓迎している様子だ。以前からロゼのスパークリングワインを生産・販売しているワイナリーもあり、色調のもとになる黒ブドウ品種がピノ・ネロで規定通りの場合はそれらのワインにプロセッコという表記が加わる。
収穫後の1月1日から販売を開始。早ければ2021年1月にはプロセッコ・ロゼが登場する。年間の生産本数は各社合わせて3000万本程度になる見込みだという。