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【エンタメIR】連載「HOTERES Entertainment!」 

Z世代に聞くエンタメ、そしてメディアの現在

【月刊HOTERES 2021年01月号】
2021年01月26日(火)
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10代が流行を作ると言われて久しい。その中でデジタルネイティブが今、10 代となりつつある。そこで今回の「HOTERES Entertainment!」ではそんな 10 代の代表である「女子高生ミスコン 2020」「男子高生ミスターコン 2020」でそれぞれグラン プリに輝いた大平ひかるさん、中野晴仁さんに10代とエンタメ、SNS とのかかわり方についてお話を伺った。

取材・構成 毛利愼/文 飯野耀子


いまや芸能界デビューへの登竜門でもある「女子高生ミスコン」「男子高生ミスターコン」。全国から数多くの高校生からエントリーがあり、入賞者のみならずファイナリストたちも10 代を代表するインフルエンサー として成長、活躍している(画面左から中野晴仁さん、大平ひかるさん、「JCミスコン2020」グランプリ、榊原樹里さん)

 

「女子高生ミスコン2020」グランプリ 大平 ひかる さん
「女子高生ミスコン2020」グランプリ 大平 ひかる さん

■最近の若者はテレビを見ないと言いますが、本当ですか。

大平 テレビはほとんど見ることがありません。見ても朝食時についているから、という程度。娯楽でも情報でも基本は ABEMA や YouTube、 TikTok、インスタなどスマホコンテンツを活用しています。これは私に限ったことではなく、10 代の子たちの間では主流だと思います。

 中でもABEMA は無料で見られるコンテンツが多いので使いやすいんです。『今日、好きになりました。』や『オオカミくんには騙されない』みたいな恋愛リアリティショーは特に人気がありますし、アニメも人気が高いですね。

 私も『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』などは ABEMA で見ました。あとは流行に関するものであればインスタから情報を、ニュースはテレビよりもツイッターで知ることが多いです。ただ矛盾しているかもしれないのですが、出演者という立場ではテレビに出たいです。

 理由として YouTube や ABEMA、Hulu や NETFLIX などの動画メディアは 若い子向けなので、年配の方たちはあまり利用してないと思うので。幅 広い層の人たちに知ってもらい、活躍の場を広げる意味におけるテレビの影響力はとても大きいものだと考えています。
 

「男子高生ミスコン2020」グランプリ 中野 晴仁 さん
「男子高生ミスコン2020」グランプリ 中野 晴仁 さん

中野 僕もテレビはほとんど見ません。たぶん小学校6年生くらいから見ていないのではないでしょうか。一番の理由は、テレビを見ている時間がないんです。学校の勉強もありますし、部活もあります。あと夜は10時に寝るのもあって(笑)、テレビって放映する時間が決まっているじゃないですか。見たい番組があっても録画しないと今のスケジュールの中では見られないことがほとんどですし、録画を忘れてしまったりするともういいやとあきらめてしまう感じです。

 ただ僕は俳優を目指していて、テレビでも活躍したいと思っているので、出たい気持ちは大いにあります! ちなみに、スマホ で見られる動画は自分に時間があるときに見ることができるのでよく見ています。部活でストリートダンスをやっているので YouTube でダンスコンテンツを見て練習したり、カンフー映画が好きなので Huluもよく使っています。

 ABEMAも『今日、好きになりました。』に出ているので見ますね。友人でKPOPや韓国エンタメが好きな子たちは YouTube や TikTok を見ている子が多いです。このように今の 10 代とエンタメコンテンツのかかわり方というのは、個人が自分の自由な時間に個人媒体で見ているケースが多いのではないでしょうか。

■お二人にとって SNS はどんな存在ですか。

大平 私は Twitter、インスタ、TikTok の三つをやっているのですが、それぞれ用途を使い分けています。Twitter は告知やリアルタイムに伝えたいことがあるときに使うことが多いですね。TikTok はアイドルものや、はやっているダンスなどのパフォーマンスをアップすることが多いです。

 インスタは作品だと思っているので私の世界観を発信する場として考えています。なのでインスタ用の写真を人に撮ってもらう場合は最初に私が見本を撮影して、それを見て構図や角度などを共有してもらった上で撮ってもらうことが多いです。

 私は人に勇気や笑顔を与えられる人になりたいと思っていますし、発信による影響力を持ちたいとも思っているの で、投稿を見る人に私の思いが届くようにするにはどうすればいいかを常に意識してコンテンツを考えています。またネットに投稿したものはずっと残るものなので、内容については何回もチェックします。見た人が不快になったり、傷ついたりしないかについては特に気を付けています。


中野 僕はミスターコンに参加するまでまったくSNS などをやっていな かったので正直、何をアップするといいのかまださぐりさぐりやっている状態です。そんな中でコメントや DM のメッセージなどファンの人たちから SNSを通じて応援してもらえたことはとても励まされましたし、フォロワーが増えたこともうれしかったです。ただ僕はインフルエンサーというよりは俳優として頑張りたいと思っているので、SNS での自己発信にすごく力 を入れるタイプではないかもしれないです。


■エンタメについてはどんなふうに考えていますか。

大平 エンタメに関するいろんな場面で“私を使って !!”と思うことが多くあります。例えば私はプロレスが子供のころから大好きで、もっともっとプロ レスの良さを多くの人に知ってもらいたいと思っています。実際にリングアナウンサーのお仕事をさせていただいたことがあるのですが、その際にプロレスをよく知らない人よりも私のように好きな人が伝えた方がよいと思うので、もっとプロレスにかかわるお仕事ができたらいいなと思っています。

 同じようにファッションもパフォーマンスも好きなので、モデルとしてもタレントとしてもさらに自分自身を表現する場がたくさん得られるといい なと思っています。あとは 7 年間アイドルをやってきたのでその経験を生かし、自分もメンバーとして入る形でアイドルグループをプロデュースしたいです。歌って踊るのは誰にでもできますが、それだけでは売れるグルー プは作れません。

 いかにして見てくれる人のハートをつかむか、が大事だと考えています。今回いただいたグランプリがそういったことにつながる強みになるといいなと思っていますし、日本だけでなく世界も視野にさまざまなジャンルで私の考える“エンタメ”を表現し、発信していけたらと考えています。


中野 今の世の中は情報型の社会なので完璧で、あることや優等生であることから少しでも外れるとすぐにそれがネットに書かれてしまいますよね。そういうことを意識すると個性を出しづらくなってしまったり、枠にとらわれてしまうので、表に出る人たちがもっとのびのび冒険できる環境ができるとよりいいエンタメができるのではないかと感じています。

 特に僕たちのように若い子は、ネットの意見に影響を受けや すい面があります。例えば何かニュースがあった際に、記事の内容よりもその記事に対するコメントからニュースに対する印象が左右されてしまったり、いいか悪いかについても俯 ふかん瞰した判断よりも多数派の意見に影響されてしまったり。場合によってはそれが誹謗中傷だったとしてもどんどん乗っかっていってしまうこともあります。

 これは先ほどお話ししたタ レントに関するニュースでも同じようなことがあるので、コメント欄を管理したり、視聴者側の意見をもうちょっと管理できる仕組みができるといいのかなと思っています。

<編者考>
今回彼らの話を聞いて、今の高校生が置かれている環境や価値観、 生活様式が弊誌の主たる読者層(編者自身も含め)が過ごしてきた時代とあまりに違うことを感じた次第である。この新しい価値観と環境で育った世代が近い将来、読者の顧客層となっていくことを考るに、彼らの感性を理解することがエンタメはもちろん観光業界のプランニングにお いて不可欠な要素となっていくことが予想される。ぜひ若い世代の発信への注目、そして理解に今まで以上の時間を割かれたい。

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