蔵の中から探し出した昔の道具を使うと、あらためて酒造りの楽しさが湧いてきた
島田 田中酒造場の紹介をお願いします。
田中 田中酒造場は1835(天保6)年に創業しました。「一行一場」と言われるほど、人間が歩く範囲はどの村にも造り酒屋があった米どころの播磨地区で日本酒を造り続けて、私で六代目になります。「温故知新」という言葉がありますが、新しいことを知り見聞を広げるだけでなく、新しいものを創りたいという思いから「温故創新」をモットーに酒造りに勤しんでいます。
島田 同じ地域には現在いくつの酒蔵があるのでしょうか。
田中 姫路酒造組合に加盟しているのは11 蔵ですが、今は個性を活かす時代ということで、さまざまな形で播磨地区には22 の酒蔵あります。すべての蔵で造り方が異なり、同じ酒米の「山田錦」を使っていてもそれぞれ味が違います。