新型コロナウイルス感染症が収束したとしても、この見えない敵に対する恐怖心は局地的なものではなく全世界規模で人々の心に刻まれたはずであり、新たなウイルスが発現する恐怖やウイルスが変化し長期にわたって存続する可能性等を考えますと、その脅威は人々の価値観にも強い影響を与えるものと考えられます。その結果、もう既に2020 年3 月までのホテルマーケットと2020 年3 月以降のホテルマーケットとは別のマーケットに変化している、つまり具体的には、顧客が求める宿泊施設の「品質」について「これまで求められた品質」とパンデミック宣言後「今後求められる品質」との間に大きな変化が生じている可能性があります。
北村剛史
Takeshi Kitamura
(株)日本ホテルアプレイザル 取締役/(株)サクラクオリティマネジメント 代表取締役/(一社)観光品質認証協会 統括理事不動産鑑定士、MAI(米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である(株)日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事