経営学者のフィリップ・コトラー氏も、日経ビジネスへの寄稿で以下述べている。
「大変な状況だが、これは変化をもたらすきっかけになる一面がある。世界中のほとんどの人々は、新型コロナウイルスの感染拡大を前にして『自分たちの元の生活に戻りたい』と思っている。
しかし、振り返ってみれば多くの人々にとって、その生活がそれほど良いものだったかといえば、実は必ずしもそうではなかった。多くの人々は貧しかったし、おなかをすかせていたし、そして何よりも働きすぎていた。私たちは今回の出来事をきっかけにして、いろいろなことを変えていくことになるだろう。そして、ここから多くの人々が充実し満足する生活ができる機会が得られる『ニューノーマル』をつくっていくべきだ。(中略)もっと言えばバリュープロポジション(競合と違うポイントをメッセージの中に入れていくこと)、製品ライン、市場セグメント、価格設定、チャネル、および地理的領域を見直さなければならない。企業は忠誠度の高い顧客の興味を引き付けて維持するためには、ソーシャル・プログラムやパーソナライゼーションへの投資が継続的に必要であることが見えてくるだろう」。
特にポストコロナの時代には、企業は売り上げや利益だけでなく社会的な役割が強く求められるようになるだろう。
SDGsも以前より言われていはいたが、これまで以上に企業活動のプロセスに環境・健康への負荷や差別が無かったかなども含めて企業の価値となる。 そのような時代に自分たちが何をすべきか。それを考えるために皆を巻き込み、徹底して議論をすることが必要だろう。そして最も大切なのは、最終的にそれを決める時に顧客とスタッフにとってベストなものを選ぶということだ。
2020年5月22日号 FROM THE PUBLISHER
FROM THE PUBLISHER 太田 進 New Normal
【月刊HOTERES 2020年05月号】
2020年05月20日(水)