さまざまな評価を見ている中で、高い評価を得ているリーダーには共通する点が見えてくる。多くの人々が周りも先も見えず不安を抱えている中で、可能な限り情報を透明化し、毎日など定期的に、分かりやすく説明をする。そしてできることはできる、できないことはできないと明確にし、曖昧にしない。下す意思決定は時としてすべての人にとって喜ばしいことではないことも理解をしている。しかし、それも踏まえ決定し、理解を求める。
同時に、彼らは悲観も楽観もしない。淡々と、事実に基づき、このような危機的な状況ではやや慎重に、意思決定を積み重ねていく。派手なパフォーマンスなどない。そうした姿勢、取り組みの積み重ねが、着実に評価を得ていく。マーケットが追い風の時などには別のリーダーシップの形もあるのかもしれないが、今はそれが確実に人々の心をつかんでいる。
現在、リーダーがスタッフ、そして関係パートナー企業などとどのようにコミュニケートし、どのような意思決定を下すか。この姿勢、取り組みは間違いなく短期的だけでなく中長期的にも自社の未来に返ってくる。現在でもさまざまな情報がわれわれの耳に入ってくるが、それがネガティブなものほど尾ひれが付いて広がるものだ。そして、そうした情報ほど業界の評判となって根強く残ることになる。
今こそトップのリーダーシップのあり方が問われている。その言動、一挙手一投足は御社の未来にとって正しいものであるのか。このような状況だからこそ今一度見つめ直してみてはいかがだろうか。
2020年5月8・15日号 FROM THE PUBLISHER 太田 進
FROM THE PUBLISHER 太田 進 今こそ問われるリーダーシップ
【月刊HOTERES 2020年05月号】
2020年05月13日(水)