ここまで読んでいただいて、それをするのは当たり前ではないかと感じた方もいらっしゃるかもしれません。そうかもしれません。しかし実際に足元需要を掘り起こすべく外を回る行為をしている会社がどれだけあるでしょうか。そして、出先、営業先で気づいたことから商品開発につなげる、回りながら市場調査をやっている会社も少ないと思います。
A 社の取り組みは外部を回ることだけではとどまりません。ある日コンビニエンスストアで買ってきたおにぎりを片手にパンを買いに来てくれるお客さまが、ある一定量いることに気づきます。ならば、おにぎりをと米をしっかりと研究して、冷めてもおいしいおにぎりを開発し販売します。続いて、おいしいごはんができたならカレーを、そして、おいしいカレーができたなら、カレーパンのリニューアルを、と次々と手を打っていきます。もちろん、主力中の主力「あんぱん」の力の入れ具合はほかの商品を開発しても変わりません。
ベーカリーA 社の取り組みからの学びは、お客を見て地域を見て自分たちができることにはとことんトライをしていくことの大切さです。一部の旅館やホテルが始めている近隣、近郊のお客さまへのキャンペーン。これはキャンペーンの範囲にとどめないでほしいと私は思っています。地域の人にとっての必需的存在、これは業種を超えた真理であるからです。
2020年4月17日号 サービス・イノベーション-Part2~現場と本部が一体で進めるイノベーション~
173 今やってほしい20のこと+1(プラスワン)
【月刊HOTERES 2020年04月号】
2020年04月15日(水)