「歓喜・感動」がとんきゅうのテーマ。 スタッフの幸せを実現する会社に
――とんきゅうが大切にしている価値とは、 どのようなものでしょうか。
やはり料理の味と、サービスですね。 とんきゅうのポリシーは、本物の味を追 求すること。そのためには素材から徹 底的に追求します。 肉については、軸に据えている「やまと豚」がとても好評です。やまと豚は 国内の指定の牧場で、ていねいに品 質管理されて飼育された豚。加工、流 通の段階でも管理が徹底されています。 キメが細かく柔らかい肉質が特徴で、 脂の甘さと口溶けのよさも格別。女性か らも「おいしい」「食べやすい」と言 われています。 そのほか、野菜も筑波のものを中心 にその時季の最高のものを仕入れますし、漬物にも手を抜きません。ごはんの おいしさにもこだわっています。 そして料理店は、お客さまに「来てよかったな」と思っていただけるサービスも必要です。具体的には、笑顔と気付き。お客さまの要望を先回りして気付 き、心を込めて行動し、笑顔で接する。 そんな温もりのあるサービスが自発的に できるのが、当店のスタッフの特徴です。 当店の平均客単価は1680円。地方の とんかつ店では1200〜1300円が一般的なので、うちの値付けは強気と言え るでしょう。しかしいくら価格が安くても、 価値がなければ売れない。そして価値 があれば、お客さまは価格を出してくださる。それでいろいろ考えながら、ほか の店ではまねできない価値を生み出すよう常に努力しています。
―― それが、連日の繁盛につながっているのですね。
やはり、店に来ていただけるのであれば、お客さまには満ち足りた時間を過ご していただきたい。幸福を感じていただきたい。そのためには、スタッフ自身が仕事にやりがいを感じ、幸せでなくては いけません。そこで、スタッフには人生に目標を持つよう強く勧めています。 この目標は、仕事上の成功というより、 むしろ仕事の外に持ってほしいと思って います。
例えば、家族と海外に旅行に行って思い出の時間を作る、あるいはバイクで日本各地をまわる、という具合に。その目標に向けて計画し、最初に踏み出す勇気が、人生において何より も大切。これは、私が若き日のバイク一人旅を通して得た人生哲学です。とんきゅうのテーマは、「歓喜・感動」です。そして、お客さまの幸せ、社員の幸せ、会社の幸せは三位一体。これからも変わらず、この三つの幸せが循環する会社づくりを続けたいと思っています。
2020年2月28日号 TOP INTERVIEW とんきゅう株式会社 代表取締役社長 矢田部 武久氏
東京進出を果たした 茨城とんかつの雄、とんQ
【月刊HOTERES 2020年02月号】
2020年02月27日(木)