ヴィーニョ・ヴェルデはポルトガル北西部、山と大西洋との間にあるヴィーニョ・ヴェルデは 2万1000 ha におよぶ 9つのサブリージョンと、約600の醸造ボトラー、ぶどう生産者は19000件も存在する。約2000のワインブランドを持ち、固有ブドウ品種は約45種類ある。 ヴィーニョ・ヴェルデとはポルトガル語で「緑のワイン」を意味するが、そのワインの色が緑というわけではない。生産されているワインは86%が白で、ほかにもロゼ、赤、スパークリング、スピリッツもある。多くは若摘みのブドウを使用しており、フレッシュでアルコール度数が低いことからとても飲みやすく、微発泡の白ワインが特に注目を集めているヴィーニョ・ヴェルデ。
今回は2019年7月上旬に、ヴィーニョ・ヴェルデ ワイン コミッション(以下CVRVV)主催による「ヴィーニョ・ヴェルデ」産地ツアーが開催され、週刊ホテルレストランの義田が参加してきた。
CVRVVはヴィーニョ・ヴェルデの生産者とマーケティング等を調整するために1926年に設立された専門連携型の団体であり、Vinho Verde Controlled Appellation of Origin(CAO)とMinho Geographic Indication (GI)を成す地域および国有遺産を守ることを目的としている。 の地域のワインづくりはロウレイロ、トラジャドゥーラ、アルヴァリーニョなどの固有のブドウ品種を用いたユニークなブレンドを特徴としており、2000年以上前からワイン作りをしているヴィーニョ・ヴェルデは、ポルトガルの中でも最古のワイン産地であり、ヨーロッパ最大規模のワイン産地の一つとされている。ツアーではまず、ヴィーニョ・ヴェルデワイン協会(CVRVV)本部へ行き、ヴィーニョ・ヴェルデ全体のプレゼンテーションを受けた後、テイスティングで主要なブドウ品種を確認した。
ヴィーニョ・ヴェルデの多様な生産者たち
Pequenos Rebentos
力強い白ワインとフレッシュな赤ワインという通常とは逆のスタイルが多いこのPequenos Rebentos 除草剤等を使わない自然派ワインで、足で果肉をつぶすなど昔ながらのスタイルでワイン作りをする。バリエーションも多く、フルーティなものから伝統的なフレンチなどに合わせる熟成させたワインにも挑戦している。
AB VALLEY WINES
ポルトガル内陸部のアマランテにあるAB VALLEY WINESは、2016年に設立された新進気鋭のワイナリーだが、ワイン作りは20年以上してきたこともあり、経験に基づいてしっかりと作りこまれたワインという印象。コンセプトは「アマランテの土着品種を表現する」。酸が強く、清涼感のあるアザールは寿司にも相性がよく日本市場を狙っているとのこと。2018のアルバリーニョはアロマも豊かでフルーティ。小規模農家の支援として委託醸造やブドウ栽培のコンサルティングも行ないながら、自社ブランドも大切にしている。
Quinta Da Raza
内陸部のバストにて作られている家族経営の小さなワイナリー。自社農園50ヘクタールの畑があり、伝統的な品種のみを扱う。作り方もとても伝統的で昔ながらのヴィーニョ・ヴェルデの赤ワインは果肉を足で踏んで作るのだが、今なお継続している。アザールという品種は酸が強いため、日照が特に重要となる。海までは遠いがドウロ川の近くで、保水性の高い土壌、片岩、シスト土壌とのこと。ドイツやアメリカの日本料理店で導入が進んでいるという。輸出が特に伸びており現在90パーセントが輸出されている。伝統的なブレンドのワインと、単一品種のワインともにクオリティを上げていくとのことだった。
VERCOOPE
7つの醸造組合をまとめた連合で、4000件のブドウ農園が加盟している。熟成、ろ過、ボトリングをVERCOOPEで請け負い、年間生産量が750万本、30カ国に輸出している。各醸造所ごとにブランドが違い、VERCOOPEブランドもある。