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特集 ポルトガルワイン産地「ヴィーニョ・ヴェルデ ツアー2019」緑のワインに迫る

2019年11月05日(火)
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Quinta De Pecos

バルセロシュ市にあるこのワイナリーは、16世紀からワイン作りを行ない現在15代目。世界で最も古いワインコンペティテョンにも参加している。ドイツやデンマーク、アメリカに輸出しており、どこも順調に伸びているとのこと。発酵が終わればすぐに出荷するタイプが多く、フレッシュさが特徴といえる。さらにテクスチャーを強く感じるものにも挑戦するなどバリエーション豊富。
このワイナリーのあるバルセロシュでは、他のヴィーニョ・ヴェルデとは違い、濃厚な白ワインが作れらていた。ヴィーニョ・ヴェルデと名乗ることで安いワインというイメージがどうしてもついてしまうことを懸念したオーナーは、あえてヴィーニョ・ヴェルデとい名乗らず、ミーニョGIとして販売することでそのイメージを付けずにワインそのもので勝負することができる。和食や魚料理に合うもの、プールサイドやパーティに合うもの、子羊や子ヤギに合うものなど、あらゆるシチュエーションで楽しめるものを作っている。

Quinta de Curvos

1976年に設立された家族経営のワイナリー。大西洋の影響と花崗岩の土壌で豊かな日照を受け、ブドウを造っている。良い品質、伝統と革新を心がけワインへの情熱を忘れずに価値の高いワイン造りを心がけている。

Adega Ponte da Barca

Morgadio da Andorinha Alvarinho 2017がサクラアワード2019でゴールドを受賞した。

Quinta D'Amares

ブラガ県にあるワイナリー。レンドゥフェ修道院の1つに隣接しており、この地域は歴史的、宗教的な伝統が豊富、ブドウ畑にデリケートなバラを植えることにより、寄生虫や病気が流行ると、ブドウよりも先に病気になるためバラがセンサーとなりいち早くブドウの病害に気付けるようにしている。今現在バラよりも発達した栽培技術はたくさんあるが、古き良き慣習を守りながら、今なお、    バラがこのワイナリーの守護者として咲き続けている非常に美しいワイナリー。

Soalheiro

スペインが見えるポルトガル最北端、モンサンメルガッソにあるこのワイナリーは、ミーニョ川の南にあり、山に囲まれ、ワイン作りにおける気候条件等もよい。1974年からアルヴァリーニョという品種を栽培し、良いブドウ作り、ワイン作りに成功しているという。アルヴァリーニョは大昔にドイツから持ち込まれた品種と言われていて、Soalheiroはヴィーニョ・ヴェルデの中でもアルヴァリーニョを使ったワインの得意な生産者のひとつとして、国内外から認められている。このワイナリーは「同じ価値観を共有すること」「ワインを売るだけではなく人と人のつながり」を大切にしていて、数年前まで数人で行っていたワイン作りも、現在は23名まで増えている。年間20パーセントずつ売り上げを伸ばしており、今や需要に追い付かないほどブドウが足りないという。自社畑は16ヘクタールと少ないが、150件のブドウ農家と契約しており、今後も増やしていきたいと語った。

ツアーを終えて

「どの国にもあこがれてないし、参考にしていない。独自のヴィーニョ・ヴェルデを改良していく。」と、ある生産者は語っていた。今回のツアーでは大西洋からスペインの国境付近まで13のワインメーカーのテイスティング、5つのワイナリーに足を運んだ。日本ではまだ耳にすることは少ないブドウ品種のアザール、アルヴァリーニョ、ローレイロ、トラジャドゥーラなど、実際ブドウ産地を前に身をもって学ぶことができた。また、温暖化の影響で、ボルドーや日本でも生産者が注目しているアルヴァリーニョを退役的に、地質学的にも学ぶ非常によい機会となった。昨年2018年にもこのヴィーニョ・ヴェルデに足を運んだが、より一層ワイナリーたちが和食を学んでいる印象があった。現地では「SUSHI」がクールな食べ物として若者から年配の方まで人気が高い。その影響もあり和食に合う白ワインとして、日本市場を見据えているのだ。しかしまだまだ本格的な和食でないことは想像にたやすいことだろう、実際日本人がいる和食店は少ないし、和食というよりもSUSHIが多いのは現状だが、明らかにガストロノミーに寄っており、しっかりとした骨格を持ち合わせているワインが多い印象。その分料金を上げることにも成功していて、市場を上げていくには必要な取り組みだ。ワイン生産者も実際に日本に足を運び、和食を学んで現地でのワイン作りの参考にしているという方が多かった。長い熟成の要するワイン市場において、ワインメーカーのこの1年の進化、深化が数年後、数十年後のヴィーニョ・ヴェルデの価値をまさに決めているのだ。世界中のワインジャーナリストや有名ワインメーカーもヴィーニョ・ヴェルデに学びに来ている。我々も昔の情報や、経験にとらわれず、フラットな目で見かねば、時代に追い付かれ、やがて追い抜かれるだろう。まだご自身の勤める飲食店に導入していない方はぜひこのヴィーニョ・ヴェルデのワインをおすすめする。

義田 真平

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