8 月1 日のイベントでスピーチする楠井氏
内々定承諾者全員、
ひとりひとりに電話をする。
選んでくれた人たちに
感謝をしたい
楠井氏は、内々定通知を承諾してくれた学生全員に電話をして、感謝と、あらためてその情熱を伝えた。
「実は、昨年10 月に開設した開業準備室を、チーム拡張により今年6 月1 日から新しいオフィスへ移転しました。新しい、机、椅子、パテーション等、新しい家具は皆自分たちで組み立てを行なうことにしました。そこで、内々定者の方に『一緒に家具を組み立ててくれる人10名募集します!』とお知らせをしたところ、ありがたいことにその日のうちに定員は埋まり、開業準備室のスタッフとともに全員で家具の組み立てを行なうことができました。もちろん私も一緒に家具を組み立てましたが、その後3 日間くらい激しい筋肉痛でしたね。学生のエネルギーにつられて、張り切りすぎました(笑)」
「また、先日、8 月1 日に懇親会と銘打った内々定者を集めたイベントを京都で行いました。参加者は学生の皆さんと、開業準備室のメンバーと、鴉田さん(編集部注:三井不動産 ホテル・リゾート本部 リゾート事業部長の鴉田 隆司氏)はじめ、三井不動産の皆さんです」
三井不動産が非常に力を入れているプロジェクトとはいえ、グループ会社で採用する新卒学生との懇親会に来ること自体驚きだ。
「そんなことありませんよ。鴉田さんは学生の方々を対象にした会社説明会にまで顔を出してくれましたからね。さすがにそれは私も驚きましたけど(笑)。そんなホテル、あまり聞いたことがないですね」
「風通しの良さ」に徹底。
入社してよかったと
思われるホテルに
「現在は18 名のチームですが、最終的には220 名以上になる予定です。
組織づくりで徹底してこだわっているのは、『風通しの良さ』ですね。私が総支配人という役職を背負っていますが、常に謙虚さを大切にし、誰からも話しかけられやすい人間でなくてはならないと思っています。例えば、宿泊の話をするなら部門長と私だけでなく、宿泊部全員で話をするように、全員が意見を言える場を意識して設けています。そして、一人ひとりに声がけをすることを常に心がけています。心地よい職場環境にいれば、クリエイティブなアイデアも出やすくなりますし、仕事もはかどりますからね」
三井不動産の「風通しの良さ」は同社にかかわるパートナー企業が皆感じる印象だ。
「ハード面が素晴らしいのは当然です。例えば、この土地で三井家時代より受け継がれてきた約300 年の歴史ある『梶井宮御門』は丁寧に解体され、1 つひとつのパーツを磨きあげたものが今少しずつ戻ってきていて、組み立てられています。ホテル内にある日本庭園も、京都の二十四節気をコンセプトにして、1 年中、常に季節を表す色を庭につけましょうという細部へのこだわりなど、想像できないほどの時間、労力をかけて進行中です。
しかし、私がこれらに加えて目指したいのは“ 人のホテル” なのです。ハードだけではなく、人で選ばれる、皆様に好かれるホテルです。それは、お客様、スタッフからはもちろん、パートナー企業、そして京都の人からも好かれるホテルということです。
私たちも京都の歴史、文化を少しでも理解しようと、朝礼時に1 日も欠かすことなく京都検定の質問を出し合っています。毎朝1 問、朝からとても盛り上がります。が、最近はチームの正解率がどんどん向上し、個人的には少し焦り始めています(笑)。
時々工事現場にも行くのですが、日々、着々と進行する現場を見ると嬉しくて仕方ありません。暑い中『素晴らしいホテルを創ろう』と誇りを持ち、忙しいにも関わらず丁寧に案内をしていただく清水建設の現場の皆様には、本当に頭が下がります。現場を見るたびに、このホテルの開業に関わった関係者全員が誇れるホテルにしたいという意欲が沸きますね」