“いつもきれいにご利用いただきありがとうございます”と公衆の女性トイレの中に貼られています。ところがどっこい、そんな貼紙は何のその、男性の皆様には分からない世界ですが、いやはやかなり汚れています。ちぎれたトイレットペーパーが床に散乱していたり、飲み物やときにはトイレの中で食べたのか、ファーストフードの袋が転がっていたり、とてもひどい状態です。
手洗い所も長い髪の毛がシンクにニョロニョロとまとわりついていたり、夕方になるとおめかしをするために鏡の前は多くの女性が念入りに顔を整えています。ときには手洗い所をわがもの顔で陣取り、周囲のことは気にせずひたすらメイクアップに没頭している女性もいます。手を洗いたい人はその人の合間をぬって遠くから手を伸ばして目的が達成できるなど、ともかく公衆の女性トイレはとても惨憺たる状況です。
第82回
“風の人”山下裕乃の「THE SHARE」
第82回 日本の公衆文化こそおもてなしの原点 ~わがもの顔でおめかしのためにトイレに陣取る女性たち~
【月刊HOTERES 2019年07月号】
2019年07月26日(金)