飲食店は数あれど、これほどマニアックでおいしい日本酒を数多く提供しているところはないと称される、白金高輪のダイニングバー「GONZO」。そんなGONZO のマスター浅井剛一氏が、日本酒の歴史と文化の話を交えつつ、ホテル・レストランでの提供方法までご紹介していきます。
浅井 剛一(あさい・ごういち)
1977 年東京生まれ。2004 年10 月、日本酒に合う肴、料理に合う酒をテーマとして白金高輪にGONZO をオープン。2006 年に唎酒師取得。
GONZO
東京都港区三田5-21-7
℡ 03-3449-5500
日本酒の夏の味
最近の酒造りは秋から始まって、春過ぎの5月ごろに終了するとよく聞きます。そのために蔵の設備を整えるわけですが、お酒を搾る機械を巨大な冷蔵庫の中に入れたり、瓶詰めしたお酒を出荷のタイミングまで保存しておく冷蔵庫など。暑い気候では安定したお酒が造れなくなるので、設備を増やして品質の高いものを追求しながら秋・冬・春の三季で醸造している蔵が増えてきました。中には蔵自体が冷蔵庫のような設備の場所で一年にわたって酒造りをしている蔵もあります。5月ごろから気温がぐっと上がってくるので、昔は夏場のその時期はどうしても酒造りや日本酒のイメージはありませんでしたが、この10 年くらいで、『夏酒』というワードが生まれて夏にも日本酒をおいしく飲めるようになってきました。