北村剛史
Takeshi Kitamura
㈱ホテル格付研究所 代表取締役所長
一般社団法人観光品質認証協会 統括理事
㈱日本ホテルアプレイザル 取締役
不動産鑑定士、MAI (米国不動産鑑定士)、FRICS(英国ロイヤル・チャータード・サベイヤーズ協会フェロー)、CRE(米国不動産カウンセラー)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員。ホテル・旅館の不動産鑑定評価会社である㈱日本ホテルアプレイザルの取締役。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では「ホテル・旅館の人格性、パーソナリティー」をテーマに研究活動に従事
今回は、昨今特に注目されているラグジュアリーホテルカテゴリーについて、その特徴等を整理したいと思います。最初にラグジュアリーホテル市場の市場規模についてです。
世界の中で、国際観光市場において、100 万円/人以上の観光支出を行なう顧客層をラグジュアリークラスの顧客層と定義すれば、世界的にどれほどのニーズがあるのか、JNTO 調査等も参考に見てみますと、全世界で約1 ~ 2%の需要があるようです。
それら需要層がどれほど訪れた観光市場に影響を与えているかについては、人数ベースの市場シェアでは1 ~ 2%である一方で、観光収入ベースでの市場シェアでは約13 倍以上の経済効果が認められるようです。
つまり、人数ベースでの市場規模は数パーセントであり、それらラグジュアリー顧客層のニーズを的確に満たし、かつそれらラグジュアリー顧客層を十分に魅了しうる質感を含めたサービスコーディネートが求められること、またそれらラグジュアリー顧客層の受け皿が市場に提供されることで、非常に大きな経済的効果が期待されるということです。