「現場見ていなかった」はリーダーの言い訳
過日、全国大手スーパーの地元の「I 店」を利用したときのことでした。
買い物のついでにトイレも済まそうと向かうも、入り口に立札が立っていた。そこには驚くことに「立ち入り禁止」と目立つ字で書かれており、上段には赤い大きな文字で「ただ今点検清掃中です」。
その下段には逆にほんの申し訳程度とも思えるような、とても小さい文字で「大変申し訳ありません」。
お急ぎの場合は多目的トイレをご利用くださいと表示してあり、完全にお客さまをシャットアウトしていたのでした。
しかも多目的トイレも既に使用されている状態だったので、これではほかのお客さまも日ごろお困りだろうと、アンケート用紙にしっかりと書かせていただいた。
私は講師という職業柄、全国各地を飛び回って、幅広い企業のトイレを利用させていただいてるが、おもてなし重視の今の世の中で、完全にトイレをシャットアウトして清掃しているのは御社が初めて、参考のため、他社では「清掃中、床が大変すべりやすくなっていますので注意してご利用くださいませ」と書かれていますよと書いてきた。
そのかいあって早速リーダーから電話がきたが、なんとその第一声は「現場を見ていなかったので」でした。
これではリーダーの見苦しいだだの言い訳ではないか。
また、この人に会いたいと思われる対応を
先月東京のJR 系池袋のホテルに泊まったときの話しです。
翌日雨が降ることを天気予報で知り、急遽全国チェーンのM 店で648 円のビニール傘を買いました。
ところがホテル戻った瞬間、傘のヘッド部分に付いている黒いプラスチック製の筒が取れ落ちました。
よく見ると接着剤が甘くてはがれたことに気付き、フロントに瞬間接着剤を借りにいくも、対応した女性スタッフは探したけど置いてないとのこと。
だが、これではお客さまが困るだろうとの配慮か、ホテル泊のお客さまに貸し出すビニール傘を10 本程出してきて、一本一本壊れてないか確認し、その中でも一番いいものと交換してくださった。
普段使わないからとないものをすぐノーというのは簡単だが、自分がお客さまになったときの気持ちで、お客さまが困らないよう接着剤は置いてないが代替えの傘を用意しますと、親身になって対応してくれたM ホテル池袋の女性スタッフにぜひまた会いたいものです。
第166 回
鈴木 忠美 次世代リーダーたちに贈るメンタルケア術 これからの人材育成
第166 回「リーダーの采配がすべて物語る」
【月刊HOTERES 2019年05月号】
2019年05月24日(金)