㈱フェイス 代表取締役 福永 有利子 氏
尼崎市教育長 松本 眞 氏
核家族化や両親共働きにともなう子どもたちの個食化など、時世代をになう子どもたちの生活環境が急変している。人として不可欠な健全な精神や体の弱体化に起因するいじめや、集団生活に馴染めないなどの理由から起きている登校拒否、引きこもりなど、少し前の時代では考えられなかった現象が起きている。この現状を食い止めるため、子どもたちの生きる力を育むために立ち上がったのが、兵庫県の南東端、大阪市に面する尼崎市の尼崎教育長の松本 眞氏だ。現状と具体的な取り組みなどをお聞きした。
福永 尼崎市の教育長として平成30年4 月1 日に就任され、スピードを持って教育に関する改善に取り組まれていらっしゃるとお聞きしました。尼崎市は人口約45 万人で大阪市に隣接し、大阪、神戸ともに近距離に位置しています。教育長として、これからの尼崎市の教育改善にどのように取り組まれるのでしょうか。
松本 尼崎という街のイメージは関西地区ではあまり良くなく、市長から“尼崎の街のイメージを変えてほしい”という思いをお聞きし、昨年4 月に教育長として就任しました。任期も限られていますので、その期間で結果を出していくためにはスピード力が欠かせません。通常であれば1 年目に実態を把握し、2 年目以降に具体的な改革案を講じ、そして3 年目に実践するという流れですが、このペースでは間に合いません。そこで着任1 年目から改革に着手することを決めたのです。