“後悔なんてあろうはずもない”という言葉を発し、2019 年3月21 日、大リーグ・マリナーズのイチロー外野手45 歳が、プロ野球選手としての第一線から引退することを表明しました。
現役50 歳を目指していましたが、本当に潔い身の引き方はイチロー選手ならではの美学とも言えるでしょう。
それ以上に注目したいのはマリナーズの優しさ、心意気です。
それは今春、本場アメリカではなかなか成績を上げることができなかったイチロー選手を、日本での開幕戦で起用し、ある意味、最後の花道を作り上げたからです。
しかも9 回までプレーさせず、8 回で交代。
イチロー選手一人が目立つようにした配慮は本当に素晴らしい光景でした。マリナーズの仲間たちの目からも涙がこぼれているシーンにも感激しました。国境を越えて、それぞれの人間の感性、個性を超えて心からイチロー選手のことを思い、あこがれ、仲間として、ときにはライバルとして戦い抜いてきたからこそ、ジワっとあの涙がこぼれたのだと思います。
第69回
“風の人”山下裕乃の「THE SHARE」
第69回 後悔などあろうはずもない人生を ~好きだからこそプロとして日々の積み重ねができるんだ~
【月刊HOTERES 2019年04月号】
2019年04月12日(金)