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第162回 鈴木 忠美  次世代リーダーたちに贈るメンタルケア術 これからの人材育成 

第162回「常に答えは一つではない」

【月刊HOTERES 2019年03月号】
2019年03月15日(金)
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鈴木 忠美
〈すずき・ただみ〉

1969 年盛岡グランドホテル入社。レストラン課長、料飲企画部長、副総支配人を経て96 年総支配人就任(98 年同取締役)。在職中には専門学校 盛岡カレッジオブビジネスで講師を務める。2003年東北ホテル宴会場支配人協議会(東北B.M.C.)会長就任(5 期10 年)。05年ホテルシティプラザ北上入社。同取締役サービス部支配人、現在は山形県東村山市クアハウス碁点にて勤務しながら、料飲業務従事者の資質向上を目指し、教育研修会の企画・運営を行なう。

 
社員の奥様の心をくすぐる発想
 
 前号に続き不死鳥のごとく甦った盛岡グランドH の再建請負人K 氏の続編35 回目である。経営が変わって何年もしないうちにK 氏は年12 回、同月生まれの人たちを一堂に集めて、誕生日会と称して食事会をスタートさせたのである。

その理由の一つは盛岡グランドホテルで働きながらも、一度も自社のお料理を食べる機会に恵まれなかった私たちへの配慮と、それまでギスギスしていた社員同士の溝を埋めるためである。
それとトップと身近に話す機会がなかった若手社員への配慮が伺われた。

また、それだけにとどまらず自分たちが会社で安心して働けるのは、奥様方が立派に留守宅を守ってくれていればこそと、誕生日の当日届けで時にはお花の鉢であったり、また、ある年は台所で使う立派な包丁であったりと、奥様方への心遣いも忘れなかったのである。

しかもそれだけではない。独身者であれば今までの苦労に報いる意味でと、社員のお母様方への配慮も忘れなかった。
 
 つまり結婚している人だけの優遇制度ではなく、独身者であれば親御さんへの配慮も忘れなかったのである。

こういう優しいリーダーだからこそ誰一人不平を言うことなく信じて全力疾走したから、売り上げが脅威的に伸びたのである。
 

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