開業1 年足らずでミシュランの星を獲得、2019 ミシュランガイド大阪・鳥取版で二年連続となる星を中華で唯一獲得したのが「中国菜 エスサワダ」のオーナーシェフ 澤田州平氏だ。本場香港で修業を積み、中国料理の基本を学んだ上で和食やフレンチを融合させた創造的な料理に取り組み、食材豊富な日本だからできる中国料理を作り出した。今や、3 カ月先まで予約で満席という。2019 年春には新店舗もオープンするなど、ますます勢いに乗っている。澤田州平オーナーシェフにこれまでの経緯と人材育成についてお聞きした。
福永 レストランに入ると、調理スタッフが大勢いらして、活気にあふれていますね。澤田シェフは2016 年に「エスサワダ」をオープンされ、1 年足らずでミシュランの星を獲得されました。しかも中国料理のジャンルで2 年連続獲得すると言う、日本における中国料理の新たな道を作り出されました。始めに、今日に至るまでの経緯をお聞かせください。
澤田 元々、料理に興味があったわけでもなく、高校は工業高校に通っていました。ところが工業に興味を持てず、就職先も決まっていたのですが直前で取りやめ、貯蓄のために昼間、中華料理屋でアルバイトをしていました。そのとき、先輩と交代でまかないを作っていたのですが、そのうちに料理をすることが楽しくなってきて、料理人の道も悪くないかな? と思い、中国料理を学ぶために調理師学校に進学したのです。フレンチや和食ではなく中国料理を学ぶために専門学校へ通うのはめずらしいことだったと思います。
その後、新阪急ホテルが兵庫県三田市にできるということで、オープニングメンバーとして就職し、無我夢中でいろいろな経験をさせていただきました。その後、だんだん自分の中で“これが本物の中国料理というものか”という疑問を抱くようになり、本場を知っている香港人オーナーが経営する街場のレストランで働くことを決めたのです。