㈱フェイス 代表取締役 福永 有利子 氏
青霄書法会 代表 上平梅径 氏(うえひら ばいけい)氏
45 年前ごろ、文化的なものに触れる小学生の習い事の1 つとして「お習字教室」は欠かせないものであった。姿勢を正し、息を止め、思いを込めて書く瞬間はまさに大切な人に思いをはせて心中を伝える文( ふみ) の時代を思い起こさせるときでもある。ところが時代は変わり、筆を使う機会も減り、一世風靡した書道教室も次々とその門戸を閉じた。そんな中、書の奥深さを伝えたいという熱い想いで、スタンディングライブパフォーマンス書道を手掛け、国内のみならず海外でも活躍しているのが、青霄書法会 上平梅径氏だ。文化の継承と創造に向けた取り組みなどをお聞きした。
福永 梅径先生は書道家として世界を舞台にご活躍され、2013 年には世界の歌姫レディー・ガガ氏とのテレビ共演をされたり、音楽や華道との共演や国立文楽劇場では平安時代の雅な世界へいざなうパフォーマンスをされるなど、書の魅力を発信していらっしゃいます。
始めに書のパフォーマンスに取り組まれた経緯をお伺いできますでしょうか。
上平 6 歳のときに書道と出会い、その魅力にひかれ、今日にいたるまで書道一筋に取り組んでいます。かつては自宅で書道教室をされる先生が世間一般的に多数いらっしゃいましたが、ほかの習い事と比較して地味であったことと、筆を使って文字を書く機会が少なくなったことから、書道教室の数も年々減少してきました。
そのような逆風の中、青霄書法会では数年前より、外国人が日本に多く訪れるようになり、日本ならではの伝統的な書道に関心を持つ方が門戸をたたくようになりました。中にはイスラエルから1 日2 時間、5 日間の日程で書道を学びたいという方もいたほどです。そして、書道に関心を持った外国人の1 人であったアメリカ人のライアンと出会ったことがきっかけで、海外でのパフォーマンスが始まったのです。ライアンは世界に人脈を持っていることから、アメリカはじめ、ヨーロッパや東アジアなど世界各地でパフォーマンスを披露したところ、世界的な歌姫レディー・ガガ氏とのテレビ共演やG7のレセプションパーティーでもパフォーマンスを披露する機会をいただき、書の新たな伝え方を見出すことができたのです。