写真は創業者のパスクワーレ・フォルテ氏。 若くして電子機器の経営で成功した後、農村で育った彼の夢に立ち返ったのがポデーレ・フォルテの姿だ
ブドウのほかオリーブや麦の栽培に畜産、養蜂も
日本人初のイタリアンプロフェッショナルソムリエで、昨年に増補改訂第4版となる「基本イタリアワイン」など、数多くのイタリア関連書籍を執筆する林茂氏が代表を務めるソロイタリアは10月15 日、現地ワイン生産者の来日に伴うプレゼンテーションディナーを「アンジェロコート」(東京・八重洲)で開催した。
この日行なわれたのは、イタリア中部トスカーナ州の生産者「ポデーレ・フォルテ」によるもので、セールス&マーケティングディレクターのジョヴァンニ・マッツォーニ氏とともに4 種のワインが披露された。
ポデーレ・フォルテは、南部カラブリア州で畑やオリーヴを栽培していた両親のもとに育ったパスクワーレ・フォルテ氏が、カスティリオーネ・ドルチャに1997 年創立したワイナリー。ブドウ栽培やワイン醸造のみならず、オリーヴや麦、キアーナ牛やチンタ・セネーゼ(豚)、養蜂でトスカーナの典型的な栽培法や飼育法を復活させた。また、バイオダイナミクス農法に2004 年に着手し、08 年にオーガニック認証を取得。その直後、バイオダイナミクス農法のデメター(Demeter)より国際認証を得ており、この認証は11 年からラベル上に記載されている。
醸造ではすべての行程でブドウとテロワールへの配慮を研究している。グラヴィティー・フローを採用し、ポンプを使用することなく、ボトリングまで最小限の機械ストレスで原料を滑らせていく設備が整っている。
「200 年後にも2000 年前の栽培法で」という考えのもと、伝統を維持しながら最先端の農業とワイン醸造を実践するポデーレ・フォルテを林氏も高く評価している。
来日したジョヴァンニ・マッツォーニ氏