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ケーススタディ ホテルオークラ東京 

改正健康増進法に順守しながらお客さまのニーズに応える

【月刊HOTERES 2018年12月号】
2018年12月21日(金)
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2 階に設置された喫煙室。ホテルオークラを象徴する麻の葉紋でラッピングされた和テイストあふれる喫煙室だ

 
喫煙専用室の設置は
宿泊施設における重要事項
 
 国の改正健康増進法によると宿泊施設では、客室は事業者の判断により「喫煙」「禁煙」を選べるが、客室以外の共用部での喫煙は喫煙専用室のみで認められる。
 
 ホテルオークラ東京はどのように対処する方針なのか、運営本部宿泊統括部部長の蒲生氏に伺ったところ「私どもの場合、国の内外にわたり施設を多数展開しておりますので、もし国よりも厳しい条例ができれば各施設が所属する自治体のものに準拠する必要があります。
 
 ですから2019年9 月に開業を予定している「TheOkura Tokyo」では、国の改正健康増進法と東京都の受動喫煙防止条例の双方を注視して施設整備を進めていく予定でおります」とのこと。
 
 喫煙専用室の技術的要件はこれから決まる予定だが、飲食店での規制が厳しくなる中、宿泊施設としては法律や条令に順守した喫煙専用室をしっかりと整備していきたい意向があるという。
 
 
喫煙可能な客室はお客さまの
ニーズに呼応した形で用意
 
 ホテルオークラ東京では現在、喫煙可能な客室が3 フロア、80 室用意されている。オークラクラスの大規模な高級ホテルでこれほどの数の喫煙可能な客室を有するのは今や珍しくなりつつある。しかしそこには世界の賓客から愛されてきたオークラのホスピタリティーゆえの心遣いがある。
 
 一つは名門ホテルということもありさまざまな嗜好をお持ちのお客さまの利用が多いことから喫煙可能な客室を希望される声が多いということがあげられる。また老若男女問わず、たばこを吸う方も吸わない方も同じく大切なお客さまであり、お客さまにくつろいだ環境での宿泊を提供したいという思いからこの規模での用意にしているという。
 
 実際、喫煙可能な客室の稼働率はほぼ100%近く、比率にすると外国人よりも日本人宿泊客の利用が多いということだが、海外からの喫煙者のお客さまにも大変喜ばれているそうだ。ちなみに館内には2 カ所、喫煙専用室も設けられており、いずれも終日お客さまの利用がある。飲食フロアにおいては館内に2 カ所あるバーがいずれも喫煙可能となっており、2 フロアにわたるオーキッドバーではフロア分煙にすることでたばこを吸わないお客さまのニーズにも応える形を取っている。


Ploom TECH 専用客室内観。Ploom TECH 利用可能を示すプレートがなければ禁煙の客室だと言っても問題のない状態で提供されている

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