㈱東邦プリンテック 代表取締役社長 佐藤 治郎 氏
外国人旅行者を迎え入れるホテル・旅館にとって、パスポートチェックに関するオペレーション、その後の情報管理は、これまで効率化が進まなかった業務の一つと言えるのではないだろうか。インバウンドが増加の一途を辿る中、パスポートをめぐる作業の負担は今後増大することになるだろう。
印刷用・事務用機器を中心にしたものづくり企業として歴史を築いてきた東邦プリンテックは、パスポートリーダーの世界的トップ企業の一社、Regular 社の製品を日本版にリアレンジ、ホテル・旅館に向けた本格販売を開始した。機能の利便性はもちろん、パスポートから得られるビッグデータの活用も含め、これからのホテル・旅館にとってのマストアイテムとして活躍が期待される。日本版IR の実現など大変化の時期を迎える観光業界に向けて、ものづくりの老舗はどのような取り組みを進めようとしているのか。代表取締役社長の佐藤治郎氏にインタビューした。
インバウンドの増加で見直しが迫られる
パスポート受け渡しのオペレーション
Q1 インバウンドの増加を背景に、ホテルのフロント業務におけるパスポートリーダーのニーズは拡大してきているのではないでしょうか。
東邦プリンテックがパスポートリーダーの取り扱いを始めるにあたって調べたところ、大部分のホテルではフロントでパスポートのコピーを取って対応していました。また、いくつかのメーカーがパスポートリーダーを販売していますが、オペレーションにおける使い勝手の面でメリットを感じさせる商品はあまりなかったというのが実情だったと思います。
こうした状況の中、当社が輸入販売するパスポートリーダー「Regular7017」は、ホテルのフロント業務において使いやすさを感じていただける商品として提案しています。パスポートリーダーの先進国ベラルーシの企業、Regular 社が開発した製品を、印刷用・事務用機器を中心としたものづくり企業として長い経験を持つ東邦プリンテックが日本のホテル・旅館向けにリアレンジしたモデルとなっています。
日本を訪れる外国人観光客が増えていく中で、フロントにおけるパスポートの受け渡しはホテルにとって効率化を図らなければならないオペレーションの一つだと思います。また、警察から要請される宿泊客データの照会、国や自治体への報告書の作成などを考えた場合も、外国人のお客さまの情報をすぐに引き出せる環境を構築しておくことは、日常業務のスムーズな流れを妨げないための重要なポイントとなるでしょう。「Regular7017」の導入はこうした課題の解決につながります。